分からないことが分からない
課題が与えられた時に、解決策以前に「何が分からないかが分からない」ことがある。皆目見当がつかないという状態である。
「分からないことが分からない」状態から脱出する方法を知らない人が増えてきたような気がする。
いや、昔から多くいたけれど、新しいことにチャレンジしなくても良かったので問題にならなかっただけかもしれない。
「分からないことが分からない」場合にどうやってその問題を解決するかは、技術者に限らず重要な問題である。
現場では、悠長なことは言っていられないので、「分かっている」人や「分からないことが分かっている」人、「分からないことが分かる術を知っている」人が、解決することが多い。
このようなときに「分からないことが分からない」人は、分かる人の行動を一解決方法として記憶するが、「分からないことが分かる術」を身につけたわけではないので、別の場面ではやはり、皆目見当がつかない。単に経験値が+1されただけである。
「分からないことを分かる」ようにする具体的手法を考えてみたら、スラスラと浮かんでこない。どうやら暗黙知なので伝えることが難しいようだ。
今時の教育は「分からないことを分かる」ようにするというまどろっこしいことはやらず、「教師が教える⇒生徒が覚える」なので、「分からないことが分かる術」を身につけている若者は少ない。
もっとも、「分からないことが分からない」はそれほど、問題にならないのだろう。学校では、先生が教えてくれるし、ヒントを出してくれる。現場では、デキル奴が片づけてしまう。
問題になるのは、誰も経験したことがないことを手掛けたときだ。
何かヒントが分かればそのヒントを足掛かりに
「分からないことが分からない」→「分からないことが分かる」→「分からないことについて学習する」→「分かる」
という順に理解を深めることができる。しかし、 問題は、そのヒントをどうやって得るかで、かなり大きな壁がある。
効率よく短時間で、「分からないことが分かる術」を身につける方法もうまく言えない。
歳を取れば何度か経験したであろう「分からないことが分からない」状態を脱出した経験から得た「分からないことが分かる術」をおじさんが若い人たちに伝えられないわけだ。と納得した。
ならば、せめて「分からないことを分かる」ようにする機会を提供しようと思い立ち、 Chip Challenge を企画してみた。
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