期待される役所へ
この本に限らず、行政サービスに関する文献で市民を「顧客」や「お客様」と表現する記述を多く見かけるのだが、かなり違和感がある。(違和感の正体についてまとめてみようと思う)
それはさておき
著者の元吉由紀子氏は多くの地方自治体、中央省庁での組織風土改革の経験されているので、役所の実態や役人のメンタルについては的を射ているのと思う。
「管理職を育成する」に管理職の学習の場の必要性について記述がある。
改革目的のための”職場学習”の中に加えておくべき重要なプログラムは、管理職がマネジメントについて学習する場です。
これは痛切に感じる。特に改革の原動力となるべきミドルの管理職にはマネジメントを学習する場が必要である。
この年代は、
- 就職したときに今のような時代になるとは思っていなかった
- 「組織運営・管理」は教えられたが、マネジメントは習ったことはない
- マネジメントが必要になっても「マネジメント」と「組織管理」との違いが分からない
ので、困っている年代だ。
若い人たち(皆理系)に訊いてみるとマネジメントに興味を持っている人は少なからずいるようで、ドラッカーの「マネジメント」を読んだ人もいる。「もしドラ」を読んだ人はもう少し多い。(「もしドラ」を読むなら「マネジメント」を読むようにアドバイスしている。)
また、マネジメントについて教えてくれる先輩や上司は極めて少ないので自分で勉強するように勧めている。
彼らの多くはサポート部門の技術職だからドラッカーのいう「成果」「理念」「目的」「顧客」を自分の仕事や職場に適用するときに戸惑うのではないかと思う。
例えば、「顧客」に直接的に関わることが稀だから普段意識したことが無く、顧客のニーズや顧客のニーズに対して自分は何ができるかを考えたことが無い。真面目に誰かと議論する環境でもないから「顧客」が定義できない。「成果」「理念」「目的」も同様である。
助言できる先輩・上司が必要だ。
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本を読んで納得しただけでは何も変わらない。問題は自分は何をするのか?
若い人達と話す機会がある。おじさん達と話す機会がある。働きかけてみようと思う。
千里之行、始於足下
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