元気な自治体をつくる逆転発想の人事評価
元気な自治体をつくる逆転発想の人事評価 小堀 喜康 ぎょうせい
とある会合で著者の小堀喜康氏とお話しする機会があり、「岸和田方式」を知った。
人事考課制度でありながら目的は人材育成と聞き、イマイチ理解できなかったのでこの本を読んでみた。
岸和田市の人材育成型の人事考課制度のページにある人事考課制度活用マニュアル(管理職用、主査・一般職用)、岸和田市人材育成基本方針も読んでみた。
はじめに
序章 人事制度を考える視点
第1章 人事評価をめぐる議論
第2章 人材育成型の評価への挑戦
に小堀喜康氏の思いが詰まっている。
「上司は部下を正しく評価できない」という現実を出発点にするという人事考課制度を創り、運用するには相当な御苦労があったのではないかと思う。
このことは、誰もが知っていて、誰もが知らないフリをしている現実だから。
官僚型階層組織では、職階上位の優位性という暗黙の了解がある。極端に言えば「上司は君子、部下は愚者」という考え方だ。
この考え方を真っ向から否定して、人事考課を被評価者が自ら成長するためのツールと位置付けたのが素晴らしい。当然評価者もその上司から評価されるわけだから、管理者としての成長のツールとして使用できるわけだ。
第3章以降に実装・運用について書いてあるが、評価される側のホンネの実装である。
評価する側にとっても、釈然としない部分の対策が取られている。
例えば「中心化傾向を気にしないで、判断できなければb評価でよい。」のだそうだ。(そうだよね、判断できないことはあるよね、上司は聖人君子ではないのだから)
あとがきにも書いてあるが、小堀喜康氏が20年前に始められた自主研究グループでの活動がベースにあるそうだ。20年前に自主研究グループの活動を始めた時には周りに理解されず御苦労されたと聞いた。
既成の価値観にとらわれない発想、その発想を行動に移す、その行動を続けることが重要なのだと思う。
今度お会いできたら具体的な質問をしてみよう。
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