使命
先の東日本大震災において活動した警察官の手記
復興リーダー会議における折木良一元統合幕僚長の講演に
「発災当初、実際に動けたのは自衛隊、消防そして警察だった。」
という一節があるように、非常時に活動できるのは普段の準備の賜物であろう。
しかし、今回は想定を超える規模の災害であった。
自らも被災者、遺族でありながら活動できるのは「使命」以外の何物でもない。頭が下がる思いである。
自らも被災しながら活動した警察官が語る
「生きていればこそ他の人を助けられる」
は重い。
使命感が強い警察官であればこそ、このことを平時から考えておく必要がある。
非常時に救助を優先した結果、救助対象者のみならず自身の命を落としてしまう恐れがある。自身の安全を優先した結果、目前の人を助けられず、後にこれがトラウマになる危険性もある。
であるからこそ、幹部は 「生きていればこそ他の人を助けられる」 の精神を伝えなければならない。
指揮をする幹部は、自身の安全を優先する総員退避指示の決断ができなければならない。
「市民を避難誘導しつつ自らも安全な場所に避難せよ」の指示は簡単であるが、「総員退避、自身の安全を優先せよ」の指示は難しい。判断が早すぎれば市民から非難され、遅ければ貴重な戦力を失ってしまう。何より部下の命を失わせることになる。
幹部は平時からシミュレーションして準備をし、覚悟を決めておかなければ、緊急時このような困難な判断はできないのであろう。
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