グローバル時代の幸福と社会的責任
グローバル時代の幸福と社会的責任 ケヴィン ライアン, カレン ボーリン, 中山 理, 堀内 一史, 水野 修次郎, バーニス ラーナー 麗澤大学出版会
ボストン大 品性・社会的責任センターと麗澤大学 道徳科学教育センターが勇気・正義・慈愛・感謝・知恵・内省・尊敬・責任・節制について論じている。
自己啓発本のように「~すべきである」ではなく、それぞれのテーマについて一歩引いて考察しているところが良い。
新渡戸稲造の「武士道」にもあるように欧米人のモラル(道徳)は宗教に依拠すると考えていた。
この本では、東洋、西洋の道徳に関する違いを
日本人の筆者は「関係性の中にある自己」「道徳的因果」「社会に対する責任」
米国人の筆者は「自律した自己」「実践的な利他的行為」「自分自身の人格の発達」
を強調していると結論づけている。
洋の東西を問わず、「徳」の概念はあるが、「何のため」「誰のためは」異なる。これを突き詰めて考えると、絶対性(宗教)に行き着く人達と、相対性(社会)に行き着く人達がいるということか。
コミュ障にとっては、「徳」が人と人との関係に依拠するとなると、とたんに難しくなる。
欧米流にかぶれる日本人が多いところ見ると、「関係性の中にある自己」は難しいと思っている人も多いのではないだろうか。
一方、欧米人が武士道を賞賛するのは「自律した自己」に限界を感じているのかもしれない。
「道徳には正解は無い」とすると自分で考えて答えを見つけることしかないのだが、自分で考えるられるだけの基礎は学校で教育してほしいと思う。
イデオロギーを押し付けるのではなく、自ら考えて「道徳」にたどり着けるように。
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