学問のすゝめ
学問のすゝめ 福澤諭吉 青空文庫
以前「現代語訳 学問のすゝめ」は読んだことがあるのだが、青空文庫の電子書籍版を読んでみた。
文語体で書かれていて最近は使われなくなった「悉皆」や「畢竟」などの単語も頻繁に出てくるが平易な表現なので、さほど苦もなく読める。むしろ趣がある。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を作らず」と言えり
は有名だけど、人は平等であるべきという話ではない。
三編「一身独立して一国独立すること」に
独立とは自分にて自分の身を支配し他によりすがる心なきを言う。みずから物事の理非を弁別して処置を誤ることなき者は、他人の智恵によらざる独立なり。みずから心身を労して私立の活計をなす者は、他人の財によらざる独立なり。
みずから物事の理非を弁別して処置を誤ることなき者は、他人の智恵によらざる独立なり。
とある。
明治初期隣国の清王朝が弱体化し、西洋列強の侵略が始まっていたことを考えると、西洋諸国と対当に渡り合える国としての体裁を整えることが、当時の知識人にとって大きな問題であったのだろう。
福沢諭吉先生が嘆いておられる、
人としてはいい人だけれど、役人になると市民のことを省みない。
市民になるとお上に頼る。
自ら考えることをせず、お上の言うがままになる。
は、今の日本人にも当てはまることだ。
初篇の初版は1872年(明治5年)だ。140年を過ぎても日本人は変わってないのか。
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