ABUロボコン 2014 Pune
今年のABUロボコンはインドのPune(MIT AOE)
決勝はベトナム ラクホン大学と日本代表の名古屋工業大学
優勝はラクホン大学で名古屋工業大学惜しくも準優勝といいたいところだが、優勝のラクホン大学のマシンは出来が違うという感じだ。
昨年(2014)は金沢工業大学がオペレータの"根性"で優勝したが、今年はオペレータの習熟度で何とかなるレベルではなかった。ベトナムのマシンは、一応オペレータが操作をしているようだった(付いて歩いているだけ?)がオペレータがいなくても全自動で課題をクリアできるらしい。
まあ、今年の編集はNHKお得意の根性とお涙頂戴ではなかったのでその点はよかった。
ABUロボコンでの最近の強豪は中国、ベトナム、インドネシアで、最近の日本の成績は、2013年(昨年)に金沢工業大学が優勝、その前は2005年の東京大学が優勝だけで、その他はこの間はベスト4止まりだ。(歴代の成績はここ)
ABUロボコンの国内予選参加校数は
- 日本 18チーム(書類審査があるらしい)
- ベトナム 160チーム
- インドネシア 200チーム超(2012)
- インド 89チーム
らしく、日本は他の強豪国と比べて少ない。今年(2014)予選敗退のインドに比べても圧倒的に少ない。
日本の低迷は参加チームの少なさに関係があるのではないのか?
ABUロボコンの日本国内予選である大学ロボコンはエントリー後、書類審査に通ると制作費数万円が支給されるらしいが、課題をクリアできるロボットは到底数万円では作れそうにない。
参加できるチームは、サークルがあって学校から補助金が出たり工作機械や測定器などが使える環境がある学校に限られるのではないか。
参加したいと考えても、工学部がない大学や、工作機械が使えないサークルには結構ハードルは高いのではないと思う。しかも、最初に書類審査がある、独創的な発想があっても書類審査で、大人の事情で落とされているのではないだろうか。
最近出ていない中国やベトナム、インドネシアは、いつまでも先進国の下請けではいけないという、国家レベルの意思の差があるのではないだろうか。かつては日本もそうだったのだが、いつからか上流工程にシフトするなどとカッコいいことを言うようになり、物を作ることを疎かにしているように思う。かといってユニークな発想を奨励しているようでもない。
2015年大学ロボコンの、応募要領の「審査方針」には
日本代表チームとして「ABUロボコン」で活躍できるロボットかどうか、を主眼において選定します。
と書いてある。この審査のおかげで、
応募チームはチャレンジしないか、チャレンジャーは審査で落とされる → 皆そこそこの出来のロボットができる → 「努力と根性」で差別化を図る → テレビ屋の思うツボ → ABUロボコンでそこそこの成績。
になってるのではないだろうか?
十数年前インドネシアのスラバヤ電子工学ポリテクニックチームが高専ロボコンだったか大学ロボコンだったかに来日した際には自国では手に入らない部品を秋葉で買っていたが、今やどこでも世界中の部品が買えるし、世界中の情報を集めることができる。そして、国が支援し、若者たちに情熱がある。日本のアドバンテージはもはや無い。
最も気になることは、高専ロボコンの方が独創的なロボットが多いと感じることである。
少なくともロボコンに関しては、もはやアジアのリーダではないのだからチャレンジしないとダメだ。
チャレンジすることを忘れた年寄りがあれこれ口出ししないほうが良いのではないかと思った。
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