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2014年9月 7日 (日)

男女共同参画

 内閣府男女共同参画局第3次男女共同参画基本計画のページがある。
第3次男女共同参画基本計画の概要は最近よく耳にする「2020年30%」というものだ。

 第3次男女共同参画基本計画における成果目標の動向を見ると、あと5年半でほぼ倍増を達成しなくてはならない。

 深夜労働や当直勤務が難しいという言い訳はできそうにない。施設・設備は金で解決できる。看護士など昔から深夜勤務している職種もある。

 難しい理由を並べても仕方がないので、自分の職場で「2020年30%」を考えてみる。

現状は

 今の職場の女性の割合は0%(一人もいない)これが30%になったとしたら。
ウチの職場は知識集約型なので女性の割合が30%に増えたとしても能力的に困ることはないだろう。

 これまで、一緒に働いた女性は多くはないけれど、一緒に働いた女性は概して優秀だ。ICT系で作業現場ありの職場だから、女性の応募は多くはない。採用数はもっと少なく、買い手市場であったため優秀な人材を採用することができていたのだろう。

 「2020年30%」を達成しようとすると、ICT系の職場だから、いわゆるリケジョを多く採用しなければならない。 もともとリケジョの全体数が少ないわけだから、これまでのように買い手市場ではなくなり、優秀な人ばかり採用すことができなくなるだろう。 しかし、これは問題ではない。優秀側に偏っていた分布が、全体の分布に近づくだけだ。

 問題は、キャアの継続と、マンパワー低下への対応だろう。

キャリアの継続

 今の職場は3~4年周期で転勤がある。
オジサンたちの典型的なライフプランは子供が小さいうちは家族で赴任し、子供が大きくなったり家を建てると単身赴任し、退職後地元(自宅がある場所)に戻るというものだ。

 ところが、夫婦どちらにも転勤があるとなると、この旧来のライフプランでは家庭の維持に支障が生じるのは火を見るより明らかである。

 また、運よく妻が夫の都合に合わせる又は夫が妻の都合に合わせて転勤・転居することができても、どちらかのキャリアが中断してしまう。これまでの男社会ではそのような柔軟なキャリアパスはないので、どちらもキャリアパスが描けない。

 若い世代のことを考えた柔軟なキャリアパスの設計にはオジサンの協力が不可欠だが、子育てが終わり、キャリアの終わりが見えてきたオジサン達は若い世代のことをまじめに考えない。

マンパワー

 マネジャ視点では産休、育休、時短勤務でマンパワーが低下することが大きな問題だ。

 最近は猫も杓子も人員削減だから産休・育休中の欠員によるマンパワー低下を人事のやり繰りで補うだけのマンパワーは余っていない。

 では、臨時採用ができるかというと、知識集約型の職場では難しい。臨時採用で不足したマンパワーを容易に穴埋めができるくらいなら、その業務全体が外注可能である。

現実的な問題

 「2020年30%」を達成できないとしても影響が予想される。
日本中の職場で女性の比率が増えると、配偶者が働いている部下が増える。
これからは、男性も育休をとることを考えておかなければならない。

 よその所属で育休をとった知り合い(男性)がいるが、育休明けで転職してしまった。現状ではキャリアパスが描けないだからどうすることもできない。

 女性の部下がいないとしても、男性の部下が育休を取得したり時短勤務を希望する可能性があるし、配偶者の都合に合わせての異動も考慮しなければならなくなるだろう。

 つまり、「男女共同参画」は女性だけでなく男性のキャリアパス、育休によるマンパワーの低下について考えておかなければならない。普段の業務を、マンパワーぎりぎり、マンパワー不足でようやくこなしているようでは「男女共同参画」は到底ムリだ。

どうするのか

  • 多様なキャリアパスの創出

     スペシャリストとしてのキャリアパスがないこと、ゼネラリストのキャリアパスには転居を伴う異動が必要であること、などは性別を問わず問題が多い。
     多様なキャリアパスを許容し、キャリアパスの選択を可能とすべきである。人事・給与体系に関係することだから、若い世代で何とかなる問題ではなく、権限を持っている者の意識改革が必要である。

  • 労働環境

     長時間労働や時間外の拘束を前提としたビジネスモデルを改める。
    長時間労働やサービス残業を前提にした職場は、今後増加するであろう産休、育休に伴うマンパワーの低下に耐えられない。
     ワタミ、すき家などの例を引くまでもなくサービス残業や長時間労働を前提としたビジネスモデルは否定されている。中高年層が普通と考えている労働習慣を変えなければならない。

  • 意思改革

     よく言われることだが、5%を10%にするのは困難だが30%なら実現できる。
    意識を変えればできる。意識を変えなくてはできない。

今何をするのか

  • 客観的な評価

     部下を評価する際に性別に依らないように注意しよう。
    男社会に長くいると男尊女卑が潜在意識に刷り込まれている。

  • 時間外勤務時間の低減

     時間外勤務時間を減らそう。
     自分が課題を抱えてしまうと没頭するタイプなので残業時間についてうるさく言われたくなかった。仕事に集中している人を邪魔したくないが、お付き合い残業はなくそう。
     お付き合い残業がある職場では育休明けの時短勤務が負担になる。

  • 正当な評価

     正当な客観的な評価をしよう。
    女性にとって「2020年30%」な職場はばら色ではない、むしろ問題や苦労が多いだろう。女性が仕事を続けられるかどうか迷い、相談されたときに通り一遍のアドバイスではなく「どれだけの成果を上げ」「どれだけ期待されているか」を客観的に伝えることが必要だと思う。
     期待されていないのに苦労が多い職場で働き続けようと思うものはいない。

 「男女共同参画」は女性の問題ではなく職場の問題と捉えて「変えてはならないこと」と「変えなければならないこと」を真剣に考えることだ。

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結構まじめに考えたのだが自分にできることってこれだけ?


「女性の社会進出」は「社会」を「おっさん社会」置き換えると簡単に理解できるらしい。
「女性の社会進出」ってなんなの?
(ヤシロぶ)に「「男女共同参画社会」って何だろう?」の「社会」を「おっさん社会」に置換した文がある。

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