サボタージュ・マニュアル
1944年に米国のOSS(戦略諜報局)が作成した「サボタージュ・マニュアル」がCIAのサイトで公開されていて、マニュアル中の恐い部分の和訳は、検索するとたくさん見つかる。
アニュアルと反対のことが、マネジメント本や、組織風土改革本に書いてある。
このサボタージュ方法が有効なのは、大抵の組織で、このマニュアルとは反対の行動よりマニュアルに示された行動の方が容易だから。
例えば、
緊急時には口頭による指示を要求する
より
常に文書による指示を要求する
方が、指示する側にも、指示される側にも楽と感じる者が少なからずいるということである。
しかも、一度このマニュアルのようになった組織を戻すにはかなりの労力が必要だ。
このマニュアルの項目に共通するのは、組織の目的や作業の目的(顧客のこと)を考えないようにするということである。言い換えれば、組織の目的や作業の目的(顧客のこと)を考えない行動は、「サボタージュ」ということ。
そして、人はサボタージュ的な行動に導く方が容易であるということ。
恐い部分は↓
- 組織と会議
- 何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな。
- 「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ。
- 可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること。
- できる限り頻繁に無関係なテーマを持ち出すこと。
- 議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いについて議論せよ。
- 以前の会議で決まったことを再び持ち出し、その妥当性について改めて問い直せ。
- 「警告」せよ。他の人々に「理性的」になることを求め、将来やっかいな問題を引き起こさないよう早急な決断を避けるよう主張せよ。
- あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ。
- マネジャとスーパバイザ
- 常に文書による指示を要求せよ。
- 誤解を招きやすい指示を出せ。意思統一のために長時間議論せよ。さらに出来る限り不備を指摘せよ。
- 準備を十分行い完全に準備ができているまで実行に移すな。
- 高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ。
- 常に些細な仕事からとりかかれ。重要な仕事は後回しにせよ。
- 些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させ小さな間違いも見つけ出せ。
- 重要な決定を行う際には会議を開け。
- もっともらしくペーパーワークを増大させよ。
- 通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
- すべての規則を隅々まで厳格に適用せよ。
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