ソニーをダメにした「普通」という病
ソニーをダメにした「普通」という病 横田宏信 ゴマブックス
人は、コントローする者ではなく、ましてや、重箱の隅を突付くようなマイクロマネジメントの対象とすべきものではない。 人は、モチベーとするものである。放って置いても仕事を通じた社会貢献を自律的に楽しめるようにするのが、リーダーたる者の使命なのだ。
社員が最高に仕事を楽しんでいる状況こそが、企業に経済的な最大の成功をもたらすものである。
著者の横田宏信氏は、重箱の隅を突くようなマイクロマネジメントすることを「普通という病」をいってているのだろうか?
マイクロマネジメントしなければならない職場や業務はある、例えば人の命に係わるような業務の場合は、個人により結果が異なっては困るのでマイクロマネジメントしなければならない場合があるだろう。
一方で、イノベーションが重要な仕事や、案件ごとに状況が大きく変わる仕事の場合には、横田宏信氏がいうようにマイクロマネジメントはできない。
このような仕事においてマネジャの能力が足らず満足なマネジメントができない場合は、安易にマイクロマネジメントを行ってはならない。 原因はマネジメントではなく、マネジャの資質やマネジメント対象の資質だから。
対策は、マネジャやマネジメント対象の能力やスキル向上でありモチベーション向上である。
安易にマイクロマネジメントを行うと、マネジメント対象のモチベーションが低下し、スキルが向上することはなく、
マイクロマネジメント→現場の思考停止→意思決定伺い→マイクロマネジメント強化
という負の連鎖に陥る。負の連鎖方向の変化は早い。逆方向の
自律性重視のマネジメント→自律的思考→自律的意思決定
という正の連鎖方向の変化は遅い。
ソニーのようにマイクロマネジメントには程遠い風土の会社でも気が付いたらマイクロマネジメントが横行している状態になる。
最も困るのは、良かれと考えてマイクロマネジメントしている管理職である。マイクロマネジメントしたところで、組織はマネジャの器以上になることはないが、自律的意思決定ができる組織は、マネジャの器を越える。
マイクロマネジメントによる負の連鎖を断ち切ることが必要だ。
ビジョナリカンパニー3(2012/5/1)に、「主要なポストに適切な人材の要件」があって
- 適切な人材は厳しく管理する必要がない
誰かをしっかりと管理する必要があると感じた場合には、採用に失敗している。
という項目がある。
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