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2015年2月12日 (木)

クロネコヤマト 人の育て方

クロネコヤマト 人の育て方 水迫洋子 中経出版
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ヤマトでは「マニュアル接客をしない」 なぜなら「現場に任せる」しくみがあるからです。

ヤマトでは「成果だけで社員を評価しない」 なぜなら「人間性を重視する制度」があるからです。

ヤマトでは「指示待ちの社員はいない」 なぜなら「全員経営」という理念があるからです。

 ヤマトがスコラ・コンサルトのオフサイトミーティングを導入したらしい。

 ヤマトは以前、創業者が現場復帰しなければならない状態になったことがあるようだ。
(日経ビジネス:クール宅急便問題と小倉昌男の凄み  恥を忍んで会長職に復帰した当時にやったこと)

 創業者の小倉昌男氏が鬼籍に入られて久しい。クール宅急便問題を受けての行動かどうかは不明だが、創業者の精神を受け継ぐための行動だろうか。

閑話休題

 複数の会社の人事部出身者に、
「どんな人材育成方針、人材像を持ち、何を課題として育成・教育プランを組んでいたか」ではなく、おおもとの思想として「人を育てることについて、会社ではどういうふうに考えていたか」を尋ねたところ、「聞いたことがない」「わからない」「考えたことがない」という答えだったそうだ。

 ヤマトの教育は「一人ひとりが活躍できる場、成長できる場をどれだけ見つけてあげるか、見出してあげるか」だという。

 最近現場に出かけて管理職の人たちと話す機会があった。
人材育成はどのようなことをやっていますかの問いに、皆さん「テクニカル・スキル習得のトレーニングに参加させる」という。

 職業柄、技術の習得は重要だが、「なぜ技術が必要か」や「習得した技術をどう使うか」を教えることはもっと重要だ。
技術の習得は比較的容易で。不足していること、対応できていないことなどの現状分析から始めれば答にたどり着く。

 一方、「なぜ技術が必要か」や「習得した技術をどう使うか」を教えようとすると、組織の根本、存在意義から考えなければならない。

 官僚組織では、「なぜ技術が必要か」や「習得した技術をどう使うか」は上位層が決めるので現場に教える必要がなく、現場は必要なスキルを持っていて上位層の意思どおり動くことが求めらる。 現場の管理職が「テクニカル・スキル」の習得に偏るのは如何ともし難い。

 しかし、よく考えてみると、現場だけが考えていないわけではなく、組織的に考えていないことに気がついた。つまり、官僚組織の上位層が考えていない。その結果、「なぜ技術が必要か」「技術をどう使うか」を考えない組織になっている。

 ヤマトの「全員経営」は官僚制とは対極にある考え方だ。
指示待ちのない組織にするためには、「なぜ」「どうやって」を上層部だけでなく現場でも考えなければならない。

いや、現場から考えなければならない。中間層は最後まで考えないから。

 「テクニカル・スキル」と「なぜ」「どうやって」を教え伝えるることが人材育成ではないだろうか。

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