命を預けてもいい医師チェックリスト -セキュリティ技術者と同じ-
PRESIDENT Onlineに
「どこでわかる? 命を預けていい医師、ダメな医師(http://president.jp/articles/-/14602)」
という記事がある。
命を預けていい医師の条件は
- 患者とアイコンタクトをとり、体をきちんと向かい合わせる
- 「患者と医師」ではなく、「人と人」として本音トークできる
- 「患者の話」を途中で遮ることなく、聞いてくれる
- 診察・面談時に患者がメモや録音することを許可してくれる
- セカンド・オピニオンを嫌な顔をせずに許可してくれる
- 「ゴッドハンド」でなくても、しっかりチーム医療に徹する
- 大病院、有名病院の医師より自分のがんの専門診療科の医師
- わかりやすい言葉や図解によって病状や治療法を説明する
- 各がんの患者会が推奨する医師(ただし情報は玉石混淆)
- 「標準治療」ができる病院で、手術症例数の多い医師
だそうだ。
患者として、「いくら腕がよくても信用できない医師の治療では治らない」と思っているので、医師の説明を客観的に聞くようにしている。(自分の体や命に関わることだから客観的に聞くのは難しいのだけれど。)
経験的には、麻酔の後には説明を聞かない方が良いと思う。思考能力が低下している。
医師(病院)と患者との関係を技術者と依頼者の関係に置き換えると、同じことが言える。
特にセキュリティに関わる技術者については「命を預けてもいい医師チェックリスト」は「情報を預けてもいいセキュリティ技術者チェックリスト」だ。
今時はNetで調べたら素人でもそれなりに知識を得ることができて、リスクの存在も知ることができるだろう。例えば、手術が失敗して命を落とすリスク、情報が流出して損害を被るリスク等だ。
しかし、クライアントが最も知りたいのは、そのリスクを受容すべきか否かである。
専門家としては、「リスクを受容すべき」のアドバイスは難しい。クライアントに事情によって違うので、多くの情報を収集して検討しなければならない。できればそのようなアドバイスはしたくないのが本音だ。
そして、結局「この手術の成功例は○件、失敗例は×件で成功率は△%ですが、当然失敗することもあります。手術を受けるか受けないかはあなたが決めることです」のような説明をする。
(実際にそのような説明を受けたことがある。情報を集めて自分が客観的に判断した。)
確かに、リスクを負う決断はクライアントが決めることだ。
しかし、専門家として、「そのリスクは受容できるのか否か」のアドバイスができて、そのアドバイスがクライアントに信用されて、リスク回避のために最善を尽くすことが重要なのではないか。
最も重要なことは「専門家である前に、人として信用されるか」ということだろう。
いくら、コミュニケーション能力に長けていて、いくらプレゼンが上手でも、人として信用できなければ「リスクは受容できます」と言われても、到底鵜呑みにすることはできない。
医師も技術者も同じだ。
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