公衆無線LAN
京都府が公衆無線LAN整備事業「京都どこでもインターネット」KYOTO WiFiを展開するらしい。(広報資料)
認証なし、24時間連続運用可、約1,400か所で利用可というもので、利便性がウリである。
KYOTO WiFiのページに注意書きがあって、
無料公衆無線LAN「KYOTO Wi-Fi」のセキュリティに関する本市の考え方
本市においては,市民や観光客の皆様に,便利で快適なWi-Fi利用環境を整えるため,無料の公衆無線LAN「KYOTO Wi-Fi」の整備を進めてきました。
KYOTO Wi-Fiの運営に当たりましては,利便性の向上とともに,安全性の確保についても重要であると考えており,他の多くの自治体や民間が設置している無料公衆無線LANと同程度の安全水準を確保しております。一方,現在,国においてセキュリティや利便性の向上を検討されているところであり,こうした国の動向を踏まえながら,今後もより安全にKYOTO Wi-Fiを御提供できるよう,努めてまいります。
なお,KYOTO Wi-Fiを御利用の際は,以下の注意事項をよく御確認いただき,御利用いただきますようお願いいたします。
お知らせ:公衆無線LAN御利用時の注意事項について
KYOTO Wi-Fiをはじめとする多くの無料公衆無線LANでは,海外からの観光客をはじめ,誰もが設定不要で簡単にお使いいただけますが,無線区間(端末からアクセスポイントまでの区間)の暗号化は行っておりません。
そのため,無線区間の通信内容が傍受される可能性がありますので,安全のためIDやパスワード,クレジットカード番号等,他人に知られると悪用されるおそれのある情報を入力しないでください。
その旨,御理解いただき,利用者自身の責任において公衆無線LANサービスを御利用いただくよう,よろしくお願いいたします。
つまり、可用性を重視したので機密性は各自確保してねということのようだ。
これを問題視しているのが京都府警だ。
「京都のフリーWi-Fiはあまりに危険」府警サイバー犯罪対策課が警告
解説は、「公衆Wi-Fiの危険性とセキュリティー」がよくまとまっている。
ネットの記事をみていると、行政サービスの観点がなく行政警察の観点からの一方的記事が目立つような気がする。 不安を煽って儲けようとする輩がいるのではないかとかんぐってしまう。
無料公衆無線LANの整備は、2020東京オリンピックにむけて政府主導の行政サービスとしての施策である。
総務省や自治省がやろうとしている施策と警察がやろうとしている防犯とは相容れないものがあるが、結局はメリットとデメリットで決着する。
昔昔、高速道路網が整備されたときには犯罪が広域化するという議論があった。
ちょっと前、インターネットが一般化したときには犯罪の温床になるという議論もあった。
事実、高速道路により犯罪は広域化し、インターネットは多くの犯罪の温床になっているが高速道路やインターネットはなくならなかったし、これからもなくなることは無い。 デメリットよりメリットの方が格段に大きいからだ。
警察や識者が指摘する犯罪の温床化は、無料WiFiだけの問題ではない。
識者は貸出WifiルータやプリペイドSIMを整備すべきと言うが、貸し出しWifiルータも「プリペイドSIM」も犯罪の温床になる。犯罪者は、パスポート持っている人に買ってもらったらいいわけだ。そして需要があるところに供給があり、ブラックマーケットができる。
だから、無料Wifiだけが犯罪に利用されるわけではなく、プリペイドSIMも犯罪に利用される。
盗聴による情報漏えいの被害についても、無料Wifiに限ったことではない。巷にはワクチンソフトも入れずにネットに接続し、ネットショッピングやネットバンキングを利用している強者もいる。だからといって行政がネット接続を規制することはできないのである。
不安を煽って未来が変わるわけではない。
今から実質的な対応を講じるのが行政の責務というものだろう。
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