「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」
信州大学学長 山沢清人氏の新入生に向けたスピーチが祭になっているようだ。
問題になっている件はこの部分
信州大学では、自然に囲まれた緑豊かなキャンパスでの勉学と課外活動、都会の喧騒とは無縁の落ち着いた生活空間、モノやサービスなどが溢れることのない地に足の着いた社会など、知的にものごとを考え、創造的な思考を育てる環境を簡単に手に入れることができます。先輩諸氏は、このようにして、ゆっくりとした時間の流れを作っていたのです。
皆様はどうでしょうか。残念なことですが、昨今、この信州でもモノやサービスが溢れ始めました。その代表例は、携帯電話です。アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。スマホの「見慣れた世界」にいると、脳の取り込み情報は低下し、時間が速く過ぎ去ってしまいます。
「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」 スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして、自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。
これにホリエモンこと堀江貴文氏が反論したから盛大なお祭りになったようだ。
堀江貴文氏 信州大学学長の「スマホやめるか」発言に指摘
ホリエモン「私が大学生に伝えたいこと」
堀江貴文氏は、知識を得る手段、コミュニケーションの手段としてのスマホの優位性について論じているが、論点は、
自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。
の部分ではないか。
つまり、
- スマホを持つと自分で考えなくなるか否か。
- スマホを持つと独創性が阻害されるか否か。
である。
スマホと独創性の関係について堀江貴文氏は意見を述べていない。
スマホと自分で考えることの関係については、はっきり言ってドッチもドッチ。双方主観的な意見だ。
結局、スマホを使うことの功罪についてはどちらの意見も大多数の支持を得られないと思う。
堀江貴文氏が指摘する
恐らく学長の頭の中には、既存の大学が果たす役割が小さくなっていること、つまり大学に通う意義がなくなりつつあることに対する無意識の恐れがあるのかもしれない。
この意見には賛成。
山沢清人氏は
平成26年度卒業式学長あいさつ (2015年3月) でも
平成27年度入学式学長あいさつ (2015年4月4日) でも
信州大学が「独創性」ランキングで京大を抑えて1位になったことを紹介しておられる。 あえて紹介するのは、信大で「独創性」の低下が懸念されていることの裏返しかもしれない。
閑話休題
山沢清人氏が最も伝えたいことは
大学院入学生にも、是非聞いて頂きたいのですが、日本が今後とも活力ある社会を維持し、世界へ積極的に貢献していくためには、科学、技術、文化のいずれの分野でも独創性や個性を発揮することが重要となります。横並びの発想では問題を解決できません。
ではないだろうか。
堀江貴文氏の指摘どおりスマホがあれば信州でも京都でも東京でも同じ知識を得ることができるし、同じコミュニティに属して同じように知識教養を深めることができるが、ともすれば「田舎の京大生」「田舎の東大生」ができてしまう。
信大はそれを良しとしない。信大生にしかない「独創性」を持つべきという教育者としての意思表明ではないかと思う。
はたして、新入生は「独創性の信大」を選んだのか「田舎の京大」を選んだのか?
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娘曰く「新入生は信大に受かるくらいだから分かるんじゃないの~」
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