諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉 為末大 プレジデント社
極めて合理的だ、これくらい合理的でないとコーチをつけないで一人で世界で戦うことはできないのだろう。
著者の為末大氏は自分と向き合って、この本に書いてある合理的な結論に達したのだと思う。
自分で考えることなく、他人に流されている人にとっては、にわかには受け入れられないのではないか。
この本のタイトルになっている「諦める」について為末大氏は、
あくまでも「手段は諦めていいけれども、目的を諦めてはいけない」ということである。
という。
海洋冒険家の白石康次郎氏も「諦めるというのは“明らかに見極める”って意味ですからね。投げ出すという意味じゃないんです。」という。
諦めた人、投げ出した人がそばにいるとウットウしいものだ。為末大氏はこのような人達の存在についても極めてシビアだ。
とにかく幸せな他人が羨ましい。でも羨ましいと素直に言えるほど本心をさらけ出す勇気がないものだから、攻撃することで人を引きずり下ろそうとする。
こうした人の根幹には「人と自分が同じである」「同じでないといけない」という平等願望があるのだと思う。犠牲と成果はバランスするものという世界観から抜け出せていない。世の中というものが不平等で、不条理だということが受け入れられないのである。
均質を求められる官僚組織にいると、人と違ったことをやったり言ったりすると訳もなく非難される。(KYなので空気のなかにある「訳」が分からないだけかもしれないが。)
例えば、昇任の前提として異動しなければならない古い体質の組織なので、異動しないで昇任すると、いろいろな話が聴こえてくる。「自分は組織に命じられるがままに、単身赴任したのに、なぜお前は異動しないで承認するのか」と言ったところだろうが大きなお世話である。
自分がやりたいことを見付けて、やらせて下さいと言って、運よくやらせてくれる上司がいたということだ。 自分がやりたいことをやるという姿勢を投げ出さなかっただけである。
異動するかしないかは問題ではない。問題は成果を上げるか上げないかである。
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