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2015年11月19日 (木)

「技術者魂」と「失敗を恐れずにトライできる環境」

「技術者魂」と「失敗を恐れずにトライできる環境」 杉本 優美子 スコラ・コンサルト

 このコラムを読んで、ウチでもそうだよなと共感したので、駄文を書いた。後日、もう一回書いたら、観点が違うことに気が付いた。

技術者の観点

“昭和を知る残党”を自称する、ある技術課長は「自分が手を動かしてトライできる場があれば、今の若手もきっと変わってくる」と考え、「技術屋としての想いを形にする、技術を磨きながら何かを作り出す」そんな環境をつくっていきたいと話す。

 ウチは製造業ではないけれど、失敗できる環境は意識して造らなければならない時代になってきた。

 昔は、技術は見て覚えろの時代、つまり、放ったらかしの時代だった。
重要な仕事を任されるには先輩や上司に認められなくてはならなかった。しかし、放ったらかしにされているのをいいことに好きなことができたし、重要な仕事ではない(リカバリー可能な)失敗が可能だったので、自ら成長することができた。

 今時は、「早期育成」と綺麗事を言いながら未熟な者、失敗を経験していない者を実戦配備する。(せざるをえない。)

 誰でも失敗することはある。失敗を経験して、失敗から学んだ者は致命的な失敗のリスクが減る。しかし、失敗を経験していない者は致命的な失敗のリスクが大きい。

 リスク管理をしていない管理者(マネジャに非ず)は、両者を同じように扱うので致命的な失敗をさせてしまう。

 技術者が成長するためには、失敗から学ぶことが必要だ。 ”昭和を知る残党”は、今は無くなった「失敗できる環境」をあえて作らなければならないのだと思う。

マネジャの観点

また別の企業では、「ここは失敗してもいい」と意図的に設定した場で、若手の自主活動チームがチャレンジの幅を広げ、組織の中で力を発揮し始めている。
その背後には、彼らの取り組みの重要性を理解し支援する役員、上司がいる、という組織環境がある。

 身につまされる思いと、羨ましい思いがする。
オヤジ達は「最近の若者は失敗を恐れる」というが、オヤジ達もまた、若者たちの失敗を恐れているのだろう。

 昔失敗をしていた頃には上司にかなり迷惑をかけたけれど、それでもチャレンジングな仕事を与えてくれた。当時の上司は部下の失敗を恐れていなかったのだろうかと思う。

 技術者の成長に失敗は欠かせないと思う。つまり、技術者を育てるなら失敗を許容しなければならない。さらに、失敗を許容する空気を作らなければならないのだと思う。

 上司が責任をとれば良いと言ってしまえば簡単だ。
昔「上司はゴメンなさいするのが仕事だ」と教えてくれた上司がいた。昔はそれなりの人が「ゴメンなさい」すると大抵は収まった時代だったのだろう。

 最近は「ゴメンなさい」だけでは済まないことがあるのも事実だ。そして、「ゴメンなさいでは済まないだろう」と言う管理職がいると、その部署は失敗が許されない空気が充満する。

 「ゴメンなさい」で済ませる昔のやり方が今は通用しないのは事実だが、「ゴメンなさい」では済まないというやり方では仕事ができないのも事実だ。

 今時のマネジャに必要なのはリスク・マネジメントだと思う。

 リスク・マネジメントは技術者を経験したマネジャの方が向いているのではないだろうか。

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