奇跡の経営
奇跡の経営 リカルド・セムラー(著),岩元貴久(訳) 総合法令出版
年末年始の帰省の往復で読んだ。 年の初めに良い本に当たった。
つまるところ、「社員のコントロールをやめて、自主性を尊重する」ということ。
内容は決して目新しくは無く、どこかで読んだような内容である。しかし、言うは易く行うは難しいから、実行しようとしても、どこかで妥協してしまうのではないだろうか。そして、妥協すると立派な信念はとたんに空々しくなり、空論・極論臭くなる。
この経営方法が、大企業や官僚組織に受け入れられないのは、大企業や官僚組織ではとうてい徹底できないことを経験しているからだろう。特に官僚組織では、管理職の自己否定になるから受け入れられそうにない。
しかし、リカルド・セムラー氏は空論ではなく、本当に実行し成果を上げているのだから、安易に極論だという批判はできないだろう。
リカルド・セムラー氏はリーダーについて、
真のリーダーならば、そのリーダーが会社を離れた後でも、その組織は、継続して活気にあふれうまくいくものです。
という。そして、リーダーのカリスマ性については
リーダーが英雄になったとたん、二つのことが起こってしまうのです。一つは、社員が上部に権限を譲りはじめます。もう一つはリーダーは、常に天才だと描写される自分の評価を信じるようになることです。そして、リーダーは、自分の部下を、自分の価値観や考え方、情熱のあらわれであるミッションに、自動的に従う使用人と見なすようになるのです。
カリスマ性があるリーダーがいると依存してしまいがちだ。周りを見渡すと、幸か不幸か、カリスマ的リーダーはもうじきいなくなる。権限を上部に譲らず、自分で判断して自分の権限を行使するようにしなくてはならない。
周囲もこのように行動してほしいところだ。しかし、強制でなくても強く要請すれば、それはコントロールすることになるのだろう。
訳者のあとがきにあるように、
- 必ず、自分を信じる。
- 必ず同僚や上司を信頼する。
- 必ずできると信じる。
- 必ず、まず自分から行動を起こす。
まず、自分が行動することだ。
リカルド・セムラー氏はTEDで講演していた。(2016/3/6追記)
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