講演・講義アンケート - 評価されるのは受講者でなく講師 -
昨年末某所で講義した際のアンケート結果が送られてきた。 方々で講義・講演の講師をやっていると、主催側の教育・訓練担当者の違いが見えてくる。
講師にとってアンケート結果は「自分への評価」なので特に重要だ。アンケートで評価するのは受講者の理解度ではなく講師だと思う。改善できるのは講師しかないのだから。
日本人はアンケートに本音を書かない人が多いので、ポジティブな評価には、「良い」評価と「普通」の評価と「やや悪い」評価が含まれている。
KYな自分は行間が読めないので、ポジティブな評価が本当に「良い」のか「普通」なのか「やや悪い」のかが分からないが、ネガティブな評価は「やや悪い」か「悪い」なので悪いことは分かる。ネガティブな評価は改善すべき点がストレートに分かるのでポジティブな評価より、ネガティブな評価を重視している。
気を遣ってか批判的な意見を除いた結果を送ってくれる担当者もいるが、正直そのまま送ってほしいと思う。 ネガティブな意見を読むと、講演・講義内容を棚に上げて怒る講師もいるのは事実だけれど...
アンケートは実施しているはずなのだが、主催側の教育・訓練担当によって
- 事前に受講者にアンケートを実施し、講義内容について具体的な依頼をする
- 事後に受講者にアンケートを実施し、結果を送付してくれる
- こちらからアンケート結果を要請しないと送ってくれない
など、対応は様々だ。
講演・講義内容が、
担当者にとって
- 受講者にぜひ聞かせたい内容なのか
- 参考になるだろう程度なのか
- 研修の時間を埋めてくれればよい内容なのか
がなんとなく見えてくる。
アンケート結果を読むと、受講者にとって
- ぜひ聞きたい内容なのか
- 参考になる程度の内容なのか
- 時間の無駄だったのか
がなんとなく見えてくる
更に、講師にとって
- ぜひ聞いて欲しい内容なのか
- 参考にして欲しい程度の内容なのか
- やりたくない内容なのか
という観点もあるので、担当者、受講者、講師、三者三様の思惑がある。
講師の立場では、担当者が「時間を埋めてくれればよい」と思っているような講義はハッキリ言ってやりたくないが、こちらが「ぜひ聞いてもらいたい」場合はお願いして講演・講義させてもらう。このようなミスマッチがあると、受講者の準備ができているとは限らないので難しい。
担当者が「ぜひ聞かせたい」と思い、受講者が「ぜひ聞きたい」と思い、講師が「ぜひ聞いてもらいたい」状態で、今日の講義・講演は良かったというケースは稀だ。
講演者vs受講者は1:Nだから受講者全員に満足してもらうのはかなり難しい。しかし、講演者vs担当者は1:1だから、担当者との交渉次第で何とかなると思う。
講師(自分)のスキルの問題はあるのだけれど、「時間を埋めてくれればよい」講演は、はっきり言ってやりたくないなあ。
担当者、受講者、講師が良かった(少なくとも参考になった)と思える講義・講演をやりたいと思う。
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