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2016年2月16日 (火)

管理用データの収集 - コストの負担と成果 -

 管理用データを収集することは目的ではなく手段であり、収集コストに見合う成果があったかどうかを検証することが重要である。

 納期や品質、業務量を管理しようとすると、データを分析して改善・改良するために、まず管理用のデータを集めるのがセオリーだ。

 問題はどうやって管理データを集めるかである。管理する側が手を動かして(コストを負担して)データを集めればよいのだが 現場に負担をかけると、当然現場からは苦情が出る。データの使用目的も説明せずデータを入力しろと言えば、文句が出て当然だ。

 さすがに苦情が多いと改善しようということになる。身近にあった例では、管理側の対策は「集めるデータを減らす」だった。

 現場に入力させている項目が多いのは事実だが、それより根本的な原因は、

  • データ入力作業の目的が説明されていないこと
  • データ入力作業の成果に対するフィードバックがないこと

である。

 人は理由も聞かされず「命令された通りやれ」という仕事はしたくないものだ。
ましてや、その作業が何の誰の役に立ったのか(成果があったのか)が分からなければ「苦役」である。つまり、入力項目を減らして、ワンクリックにしたところで「苦役」に変わりはないのである。

 管理側の人は、問われると「管理に使用している」と釈明するが、それは、管理側の言訳である。管理側が収集コストを負担せず、現場に負担を求めるなら、負担に見合う成果を求められるのは当然だ。

 つまり、この問題は、「現場が費やしたマンパワー(コスト)に見合う成果が得られていない」事実を管理側が認識していないということである。

 管理側の人に成果が上がっていないことを指摘すると「頑張っている」としか言わない。
金をもらって働いている人は「頑張っています」では済まないことは誰でも知っている。
これが、現場の苦情の根源である。


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