誤信念課題と「京都人の密かな愉しみ」
誤信念課題は、他人の状態を推測する「心の理論」を調べるための課題で、サリーとアン課題(1次誤信念課題)やジョンとメアリー課題(2次誤信念課題)が有名らしい。
サリーとアン課題
「サリーがビー玉をカゴの中に隠して外出する。ところが、アンがビー玉をカゴから出して箱の中に移してしまう。」
「戻ってきたらサリーは、ビー玉がどこにあると思っているか」
という問題。
「AはBという信念を持っている」ことが理解できるかという問題(1次誤信念課題)
4~7歳にかけて答えられるようになるらしい。
ジョンとメアリー課題
「ジョンとメアリーは講演でアイスクリーム屋さんと出会う。ジョンはアイスクリームを買いたいのだが、お金を持っていなかった。アイスクリーム屋さんが「午後もずっと公園にいる」と二人に伝えたため、ジョンは家にお金を取りに帰った。ところが、アイスクリーム屋さんはメアリーに教会に行くと告げて公園を離れてしまう。教会へ向かう途中、アイスクリーム屋さんはジョンの家の前を通った。アイスクリーム屋さんを見つけたジョンは、窓からどこに行くのかと尋ねる。アイスクリーム屋さんは「教会へ行く」と答える。その後、家に戻ったメアリーが、ジョンの家を訪ねると、ジョンの母親から「ジョンはアイスクリームを買いに行った」と聞かされる。
」「メアリーは、ジョンがどこにアイスクリームを買いに行ったと思うか」
という問題。
『Aは、「BがCという信念を持っている」という信念を持っている』ことが理解できるかという問題(二次誤信念問題)
6~9歳にかけて獲得されるらしい。
簡単にいうと、他者の心的状態を理解できるかという問題である。
アスペルガー症候群や高機能自閉症児は健常児より2~6歳遅れて獲得されるらしい。
さすがに、サリーとアンは答えられた。しかし、ジョンとメアリー問題は間違えてしまった。^^)ゞ もう一度、読み直して考え直すと分かったけれど、深く考えないで答えたら間違えてしまった。
娘(定型)にジョンとメアリー課題をやらせてみたら、やはり間違えてしまった。この課題は複雑なので絵が無いと難しいのではないかな。
これらの問題は、登場人物がウソ(本心でないこと)を言っていないので、論理的に考えれば分かる。パズルのように考えればOKだ。(直感で答えると間違うけど^^;)
いい歳になって未だに難解なのは、「お世辞」や「お愛想」「皮肉」「方便」など、本心でないことを言っている場合だ。 「お世辞」や「お愛想」に対して「いや、いや、貴方こそ」とか、皮肉に対して「御褒め頂ましてマコトに有難う御座いますう。」などと切り返すことができない。つい砂時計状態になってしまう。(固まっているわけではない)
こんなの→「京都人の密かな愉しみ (NHK BSプレミアム)」は分からない。京都には到底住めないと思う。
- 1次的信念課題, 2次的信念課題についての考察 松本久美子 早稲田大学大学院教育研究科紀要 別冊 16号-2 2009年3月
PDF(https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=10234&file_id=162&file_no=1)
(ジョンとメアリーが逆になっている?) - The Ice Cream Story (Baron-Cohen, 1989)
リンク切れ修正(2019/02/15)
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