ミッション <元スターバックスCEOが教える働く理由>
ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由 岩田 松雄 アスコム
著者は、元THE BODY SHOP、元スターバックス・ジャパンCEOを歴任した経歴をお持ちの岩田松雄氏である。
「なぜ働くか」について考えたことがある人はすんなり読めるのではないだろうか。
「なぜ働くか」について考えたことがない人は、金や地位意外の価値観があることを知るよい機会だ。岩田松雄氏の価値観に従う必要はないけれど、そういう価値観があることを知っておくことは重要だと思う。
ミッションや経営理念と聞くと拒否反応を起こすのは、これまでうわべだけの話を聞かされてきたからだろうか。若い頃この手の話を聴いたのは上司からだ。当然のことだけれどトップから聞いたことはない。
話してくれた上司がミッションや経営理念をどれほど理解していたかは分からないし、人間だからミッションや経営理念から外れた行動を取ることもある。しかし、その上司の普段の言動を見ていれば、本音で話しているのか建前で話しているのかは分かるものだ。
そしていつしか、ミッションや経営理念を語る者は信用できなくなった。
ところが、とあるきっかけで「なぜ働くのか」「何のために働くのか」を考えるようになったら、ミッションを考えざるを得なくなった。
若い頃、あれほど忌み嫌っていたミッションや経営理念について真面目に考えるようになった。
この本には顧客満足度が高い企業として、著者の岩田松雄氏がCEOを務めた、THE BODY SHOP、スターバックスの他にMKタクシー、加賀屋などが登場する。 当然ながら、これらの企業のミッションが自分の組織でそのまま使えるわけではない。
組織のミッションから、部門のミッション、部署のミッション、そして、自分自身のミッションまで矛盾なく定義できるのが理想だけれど、絵に描いたようにうまく行くなら皆スタバのようになっている。
経営トップでなくミドルマネジメントでも、自分を頂点としたユニットのミッションは明確にして、メンバーがミッションどおり行動できるようにしなければならない。
最低限、自分自身のミッションは明確にしたい。自分自身を律するのは自分だから。
組織にミッションを浸透させるには、岩田松雄氏が言うようにミッションに共感した人を採用する方法が効果的だ。 しかし、新卒採用者は無色、無思考で採用してから組織の色に染めるという方法は、いかにも前世紀的だ。新卒採用者は、クローン・トルーパーやストーム・トルーパーではないのだから。
若い人に、ミッションや経営理念について話したら、胡散臭いオヤジと思われるのだろうか?。
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