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2016年7月27日 (水)

「課長」から始める社内政治の教科書 <社内政治は影響力のゲーム>

「課長」から始める 社内政治の教科書 高城幸司 ダイヤモンド社

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ハウツー本かと思ったら、著者の高城高司氏は

政治力というと、権謀術数や裏取引などネガティブ・イメージをもつ人が多いと思いますが、そうではありません。注力すべきなのは、あらゆる機会をとらえてあなたの影響力を生み出し、それを増幅していく好循環をつくり上げることです。

と仰る。

 課長の仕事は部下や上司、会社を動かすことによって、課としての成果を生み出すことで、成果に必要な、他部署との利害関係を調整し合意を得るのは、理論や正論ではなく、社内政治力だという。 そして、「社内政治は影響力のゲームだ」と。

 一匹狼気質だから政治は苦手だ、影響力にも無頓着だ。

 他人に影響を与える存在で在りたいとは思うが、権限や権力で影響を与えるのではなく、自身の存在により影響を与えられるようになりたいと思う。

 空間に電荷が存在すると電場が発生して、他の電荷に対して影響を与えるように、人もその存在により場が発生して、他人に影響を与えるのだろう。人の場合は、時間を超えて影響を与えることができる。

 電界が与える影響の大きさが電荷の量に比例するように、人が他人に与える影響の大きさは、人の大きさによるのだろう。

 社内政治力は、特定の人や特定の関係にのみ働く影響力ではないだろうか、つまり、会社に遮蔽された空間でのみ働く影響力であろう。

 とすれば、社内政治力は人の大きさではない。

 影響力を向上させるために人間を大きくする方に興味がある。高城幸司氏がいうように、政治力が成果を上げるための一手段と考えても、政治力の向上を優先する気にはられない。

 他人からの影響は、好ましいものも好ましくないものもある。

 尊敬する人から受ける影響は好ましいものだが、敵対関係や利害が一致しない関係にある者からの影響は好ましくないことが多く、できれば避けて通りたい。

 「社内政治」と聞くと、利害関係が一致しない者との関係を思いつく。つまり、ゼロサム・ゲームの相手との関係だ。他人が利益を得れば、自分が損失を被る。そのようなパワー・ゲームを思い浮かべてしまう。

 高城幸司氏の主張は、必ずしも、ゼロサム・ゲームにおける影響力ではないのだろうけれど。

 そんな場面を多く見てきたので、心が荒んでいるのかもしれない。


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