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2016年8月 6日 (土)

まず、ルールを破れ

まず、ルールを破れ
マーカス・バッキンガム、カート・コフマン 日本経済新聞社

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 生産性の高い従業員を惹きつける強い職場は次の12の質問をすると分かるらしい。

  • Q1 仕事の上で自分が何をすべきか、要求されていることをわかっているか
  • Q2 自分の仕事を適切に遂行するために必要な材料や道具類が揃っているか
  • Q3 毎日最高の仕事がであるような機会に恵まれているか
  • Q4 最近一週間で、仕事の成果を認められたり、褒められたりしたことがあるか
  • Q5 上司や仕事仲間は、自分を一人の人間として認めて接してくれているか
  • Q6 仕事上自分の成長を後押ししてくれている人がだれかいるか
  • Q7 仕事上で自分の意見が尊重されているか
  • Q8 会社のミッション/目的を前にして自分自身の仕事が重要だと感じられるか
  • Q9 仕事仲間は責任を持って精一杯クオリティの高い仕事をしているか
  • Q10 仕事仲間にだれか最高の友だちがいるか
  • Q11 最近半年で、自分の進歩に関して誰かと話し合ったことがあるか
  • Q12 仕事の上で学習し、自分を成長させる機会を与えられたことがあるか

肯定的な回答が多いほど強い職場と言えるのだそうだ。

 ビジョナリーカンパニーにある、「まず、誰をバスに乗せるかを考えて、次に行き先を決める」式の、まず、組織に適した人を選んで、その人に適した仕事を与えるという考え方。

 この方法は簡単なように見えて実はかなり難しい。たいていは、先に仕事が決まっていて、その仕事に適した者を見付ている。

 適切な人は、知識や技能ではなく才能を基準に選ぶべきという。知識や技能は後天的に獲得できるが才能は後天的に獲得できない。つまり、業務に不可欠な才能は訓練や教育では如何ともし難いということだ。

 ウチは現場の技術的サポートをやっている、技術的サービス業だから、探究心とホスピタリティという才能が必要だと考えている。単に知識が豊富で技能が高くても、相談してきた人の問題を解決しようとしなければ、また、解決できないのであれば少しでも良くしようと思う気持ちがなければ、良い仕事はできない。つまり、成果はあがらない。

 マネジャーに求められるのは、

  1. 優れたマネジャーは才能で人を選ぶ  経験や知識、意志の強さでは選ばない
  2. 優れたマネジャーは成果を適切に定義する  適切な手順を定義するのではない
  3. 優れたマネジャーは部下の強みを活かすことに専念する
  4. 優れたマネジャーは部下の強みに適した場所を探り当てる  単に梯子を上に継ぎ足す(昇進させる)のではない

だという。

 ポストに応じた知識・技能を持つ人を配置する方式の人事は、成果を考えていないことが多いのではないだろうか。 例えば、相談者の問題が解決できたかどうかは関係なく受理した相談の数を成果にしてしまうなどだ。

 相談の受理件数を成果にすると、相談者の問題を解決しなくても良いから、知識と技能だけ、更にはマニュアルだけで仕事ができるので探究心とホスピタリティは不要だ。

 才能で人を選ぶためには、まず成果を定義することが必要である。 そして、成果が適切かどうかは、

  • 指針その1 自分の顧客にとって正しいものとは何か
  • 指針その2 企業にとって正しいこととは何か

で判断すればよいという。 なるほど、ドラッカー先生の仰るとおりだ。

 この本は「マネジメント」と「ビジョナリカンパニー」の影響を受けているのかな。
「マネジメント」と「ビジョナリカンパニー」を読んでなるほどと思った人には、非常に分かり易いと思う。 

 また、具体的な行動が箇条書きにされているし、事例も多く紹介されているのでHowTo本的にも使える。

 書評のようになってしまった。

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まえがきにある、

 才能がある従業員に必要なものは、すぐれたマネジャーである

はきびしい。

才能がある部下がいるなら普通のマネジャーではダメということだ。


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