「雨降らし男」の物語(2)
理由ははっきりしないのだが「なんとなく、おかしい」と感じる。
体の調子が悪いわけでもなく、とりたてて普段の行いが悪いというわけでもなと思うのだが、それでも、何かと良くないことが続いて起こったりする。
河合隼雄氏の「心理療法序説」(岩波書店)に紹介されている、
これはユングが中国研究者のリヒャルト・ヴィルヘルムより聞いた話として伝えているものである。
ヴィルヘルムが中国のある地方にいたとき旱魃が起こった。
数カ月雨が降らず、祈りなどいろいろしたが無駄だった。
最後に「雨降らし男」が呼ばれた。彼はそこいらに小屋を作ってくれと言い、そこに籠った。
四日目に 雪の嵐が生じた。村中大喜びだったが、ヴィルヘルムはその男に会って、どうしてこうなったのかを訊いた。彼は「自分の責任ではない」と言った。
しかし、三 日間の間何をしていたのかと問うと、「ここでは、天から与えられた秩序によって人々が生きていない。従って、すべての国が「道(タオ)」の状態にはない。
自分はここにやってきたので、自分も自然の秩序に反する状態になった。
そこで三日間籠って、自分が「道」の状態になるのを待った。
すると自然に雨が降って きた」というのが彼の説明であった。
「なんとなく、おかしい」と感じるのは「雨降らし男」の言う天の秩序が崩れた状態なのではないだろうか。
ひょっとして、「雨降らし男」のように、徳を持った人がいなくなったのが原因かもしれない。 しかし、残念ながら自分の心を整えることで、天の秩序を整えるような徳は持ち合わせていない。
徳を持った人に頼るだけでなく、まず自分の心を整えよう。
- 雨降らし男の物語 (2012/12/10)
- 雨降らし男の物語 -未来からの風
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