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2016年10月13日 (木)

思考の整理学

思考の整理学 外山滋比古 ちくま文庫

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 10年近く前に読んだ本をとりだしてきて読んだ。

 教えてもらったり指導してもらわなければ学べない学生と自ら学べる学生を、
誰かに引いてもらわなければ飛べないグライダーと自ら飛べる飛行機に例えて説明されている。

 このような性質は就職しても変わらない。
グライダー学生は就職してもやはり、自ら学ぶようにはならないのである。

 学生時代の自己学習習慣と社会人の自己学習習慣そして収入との関係は、濱中淳子氏の「学歴の効用」(2016/8/18)に詳しい。

 日本型の教育は、グライダー型の学生の方が評価が高い。
企業はそれを心得ているのだが評価の高いグライダー型の人間を採用してしまう。新採用は即戦力にならないことを知っているので、入念な新入社員の研修訓練を行っていた。しかし、今はできなくなりつつあるので「即戦力人材の採用」などと言っている。

 新入社員研修も、自ら学べるようにするための研修ではなく、やはり、自社の中をぶつからないように飛べるようにするために、引っ張って教育する。
つまり、学生時代も就職してからもグライダー型の人間になるように教育・訓練されるから、グライダー型の人間の方が評価が高かったのだろう。

 今でもこのような考え方をしている年寄り(多くは評価する側)は多い。 ところが、「学歴の効用」では、「自己学習」習慣がある人(飛行機型)の方が所得が高いことが示されている。

 この本の初版は1986/4/24だから今から30年前だ。
30年も前に外山滋比古氏が指摘したグライダー型人間が減ったかというとそうではなく、今でも指摘のとおりかもしれない。 そして、グライダー人間はコンピュータに仕事が奪われると指摘されている。これも今でも同じだ。

 社会全体が30年前と変わらず、企業はグライダー型人間の方を評価し、学校はグライダー型人間を育成しているということだろう。


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