修身教授録 <人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える>
哲学者で教育者の森信三先生が昭和11年、12年に大阪師範学校で講義された修身の講義録である。 この時期教育現場に対しても当局から相当の圧力があったことは想像に難くない。文部省の督学官の視察があり通達どおりの授業を行っていないことが明るみに出た場合でも、職を賭して、教えるべきことを全うする姿勢で講義に臨まれたようだ。
この姿勢は
「教育とは流水に文字を書くようにはかない業である。だが、それを巌壁に刻むような真剣さで取り組まねばならぬ」
という言葉に現れている。
若い人の前で話す内容に迷っているときにこの本を読んだ。
人には、建前や、大ぴらには言えない本音、正しいと思いながら自分が実践できていないこと、他人・他所属とのしがらみがあり、人前で話すには、これらのしがらみと折り合いをつけなければならない。 この本を読み、これらのしがらみがいかに些細なことであるかと思い至り、正しいと判断したことを伝えようと考えるきっかけとなった。
この本を読むきっかけは、中村文昭氏が講演で紹介された森信三先生の言葉
「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。 しかも一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎない時に」
である。
中村氏の講演を聴講後、この言葉と森信三先生について調べるうちに「修身教授録」を知った。 森信三先生とは面識は無いが、時代を超えて「逢うべき人に、逢うべきときに」出逢ったように思う。
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