成果を明確にしない仕事
「成果」が明確でない仕事のオーダーをうけることがある。
「オーダーを出す側」は上司だったり上位の部署だったり。
「成果」が明確でない場合、特に実施部署の「成果」に直結しない場合には、実施部署は最低限の仕事をするようになる。最低限の仕事が職務倫理的にどうよという指摘はあるが、実施部署とすれば「成果」にならない仕事に貴重なリソースを使う事のほうが職務倫理に反していると思っている。
問題は2つ
1. 「成果」が明確でないが、実は全体の「成果」に繋がっている場合。
実は全体の「成果」に繋がっているが、実施部署としては「成果」が明確でないことはある。 組織の風通しが悪く、オーダーを出す側の説明が足りない場合や、セクショナリズムが横行し、部門最適になっている場合などだ。
全体の「成果」に繋がっているのだから、本来なら最大限の仕事をしなければならないところだが、実施部署は最小限の仕事しかしないので、当然全体の「成果」はあがらない。「成果」があがらないばかりか、その仕事は無駄になる。
2. 最低限の仕事しかしなくなること
実施部署は「成果」に繋がらないと最低限の仕事をするようになる。そして、いつも最低限の仕事をしていると、いざという最大限の仕事ができなくなる。 これは人の優劣ではなく人間の特性だと思う。
解決策は簡単である。「成果」を明確にすればよい。実施部署の「成果」でない場合は、全体の「成果」であることを明確にすればよい。 ところが、世の中そんなに簡単ではないので「成果」を明確{にしない|できない}ことはある。オーダーを出す側のマネジメント不全であるとか、セクショナリズムが横行しているとかだ。そこで、ミドル・マネジメントの出番になるわけだ。
良いマネジャ
オーダーを出す側の真意を理解して、実施部隊のモチベーションを上げる。
オーダーを出す側の「成果」と自部署の「成果」共にをあげる方法を考える。
普通のマネジャ
自部署の「成果」になることに応じて投入するリソースを変える。
自部署の「成果」になるなら最大限の仕事、ならないなら最低限の仕事をしておいて、「オーダーが良かったら成果があがったのに」と、後からオーダーの不備を指摘する。
悪いマネジャ
リソースを増やすでも減らすでもなく対応する。オーダーした側の「成果」はあがらないし、自部署の「成果」もあがらないので、結局、リソースの無駄遣いになる。モチベーションも上がらないから、このような仕事が続くとじり貧だ。
着地点を見付けるのはミドル・マネジメントの仕事だ。重要なことは、求められているのは「成果」であるということ。
組織は相似形だ。特に階層型の組織はその傾向が強い。
トップが××なら、部門のトップも××、部署のトップも××になる。(××は記号。バツではない^^)
トップから「成果」が分からないオーダーが下りてきたら、部署のトップも「成果」が分からないオーダーを出す。当然ミドルのマネジャも...
逆に、ミドルのマネジャが「悪いマネジャ」のような対応しているなら、その組織全体が「成果」を求める体質ではないということだ。
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