「バカな」と「なるほど」
「バカな」と「なるほど」 <経営成功の決め手!> 吉原英樹 PHP
この本は初版は1988で2014に復刊している。
1988年は昭和最後の年でバブルの絶頂期で、多角化経営がキーワードだった記憶がある。結局3年後にバブルがはじけてブームに乗っただけの多角化は不良債権を残したそんな時代だった。
現在とは時代背景は違うけれど、バブル時代という時代背景を考えながら読むと、経営成功の法則は変わっていないのだと思う。
この本のタイトル、「バカな」と「なるほど」は、違う言い方をすれば、
論理的に考えてたどり着いた結論(「なるほど」)が常識はずれ(「バカな」)でも実行する勇気が必要ということかと思う。
経営トップが戦略を幹部や社員に伝達する方法は
- 口頭
- 文書
- 人事
- 予算
- 組織
- 日常の言動
の6つがあって、これらのメッセージに一貫性があることが必要であるという。
「今後君の部署は重要だから」と言われる事は多いが、人が増えなかったり、金が自由に使えなかったりすることはよくある。古くて大きい組織は既得権益にすがっている者が多いから、トップが裸の王様になっていると、経営戦略のメッセージに一貫性がなくなるのだろう。
組織改革の手遅れについて、新日鉄の例を引いて
「このままではつぶれるかもしれない」という危機感が、社長からミドル、ロワー、さらには現場の従業員までをも襲い始めたのである。絶対的危機感を前にしては変化への抵抗は消え去り、組織慣性もなくなる。大手鉄鋼会社でも企業変身計画を策定し、着手できるようになるのである。
しかし冒頭の紹介したある有力財界人の表現のように「10年おそかった」のである。「このままではつぶれるかもしれない」という絶対的危機感が生まれる前に、つまり10年前から、企業変身のための長期計画を策定し、その計画に着手すべきであったのである。
組織は「オカシイと思ったらヤバイ「ヤバイと思ったらかなりヤバイ」のだろう。
トップのメッセージに注目しよう、特に人事と組織。
具合が悪い情報はトップまでなかなか届かないいという裸の王様問題がある。
吉原英樹氏は
経営者がマイナス情報をほんとうに手に入れたいならば、マイナス情報に情けをかけてやらなければならない。マイナス情報が自分のところに届いたならば、それを届けてくれた部下に、にこにこしながら「よく届けてくれた。良い情報を届けてくれた」といって接しなければならない。たとえ、心の中では怒っていても。
という。
怒らないにしても、すぐに届けられたマイナス情報を考えてはいけないということか。まず、届けてくれた人をねぎらう。これができるかどうが人の器ということだろう。
難しいいなぁ。
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