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2017年1月30日 (月)

ワークライフバランス <仕事のやり方を変える>

 「ワークライフバランス」は国を挙げての大騒ぎ状態だ。

 内閣府の「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」の理念は立派だ。現場はというと理念から離れて残業縮減、残業撲滅になっているのではないだろうか。

 ネットを探すと「ワークライフバランス」に対する意見は多く見つかる。

 「労働=苦役」という価値観の人達(欧米の人達)が考えたことで、彼らにとって「労働=苦役」だから「残業=諸悪の根源」ということになるのだが、そもそも、日本人の労働観とは違うという意見もある。

 この観点は正しいと思う。知人から「お前は趣味と仕事が連続している」と言われる身としては、「労働=苦役」ではない。

 ところが、そんな人間でも「労働=苦役」になることはある。

  • 自分が病気の時
  • 家族が病気の時
  • やりたくない仕事の時
  • 金に困っている時

などだ。女性の場合はさらに多いのではないだろうか。

 つまり、「労働=苦役」という考え方は、人によって違うし、同じ人でも場面によって違うから、ワークライフバランスと残業関係も人それぞれだ。 ならば、お上が画一的に「残業禁止=ワークライフバランス」だと押し付けられるものではない。

 働く者が自分の働き方を考えなければならないのだろう。

 「ワークライフバランス=残業撲滅」ではないが、多くの職場で残業が「ワークライフバランス」を阻害していることは事実だろう。

 残業しないと片付かない業務量がありながら残業禁止は理不尽だ。業務量を減らすことができればよいが、現実はなかなか業務量は減らない。

 業務量が減らないのは、これまでと同じように仕事をしようとしているからだと、誰もが気が付いているのだけれど、誰もが仕事のやり方を変えられない。いや変えたくないのだ。

 単純に業務量を減らすとサービスの質まで低下してしまうことが多いから、業務を効率化しなければならない。 ITを使うと業務の効率化は可能だけれど、ITを使ったとしても仕事のやり方を変えなくては効果はない。仕事のやり方を変えるには抵抗勢力が多いので結局効率化できないということになる。

 つまり、昨日までの「仕事のやり方が変えられない」ことが諸悪の根源である。そして、昨日までの「仕事のやり方が変えられない」のは、残業禁止と言う人も、残業禁止と言われて困っている人も同じではないだろうか。

 「ワークライフバランス」は目先の「残業禁止」ではなく「仕事のやり方を変える」ことを考える必要があるのだろう。

 とはいえ、ブラックな職場ではそんな悠長なことは言ってられないので、お上が強制しなければ変わらないのかもしれない。あれれ、議論が一周してしまった。

 問題意識がある人達が直接会話できる場が欲しいなぁ


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