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2017年2月13日 (月)

トヨタの問題解決 <組織の強さの淵源>

トヨタの問題解決 OJTソリューションズ 中経出版

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実業務では問題と解決方策を考えることは多い。
自ら問題に気づいたり、上司から課題として与えられたりすることがある。昇任論文にもよくあるお題だ。

「昇任論文の書き方」のようなHowTo本では、

  • 序文(背景など)
  • 問題提議
  • 解決策
  • 原因確認
  • 解決策の候補
  • 検討
  • 決定
  • 成果
  • 今後の課題

のような構成で書くと良いとされている。

 時間が短い論文試験では、

  • 序文(背景)
  • 問題提議
  • 原因確認
  • 解決策
  • まとめ・今後の課題

は少なくとも書くようにしていた。

 解決策(原因確認、解決策の候補、検討、決定)の精緻な検討は短時間では無理なのでありふれた解決策になりがちだ。

 実業務で問題解決する場合には、誰かが考えた解決策や、検討不足の解決策では問題は解決できないから、自分で時間をかけて検討するしかない。ところが、問題を認識して問題を解決する方法は人それぞのノウハウがあり、残念ながら、上手な人と下手な人がいる。

 人のノウハウに左右されないように問題解決のプロセスを標準化したものが、トヨタで使われている、「問題解決8つのステップ」で、その手順は、

  1. 問題を明確にする
    解決すべきテーマを「重要度」「緊急度」「拡大傾向」などの視点から選ぶ
  2. 現状を把握する
    問題をブレイクダウン(層別)し、「攻撃対象」を見付ける
  3. 目標を設定する
    達成目標は数値で示す
  4. 真因を考え抜く
    問題が起きる真因(真の原因)を「なぜなぜ5回」で突き止める
  5. 対策計画を立てる
    真因をなくす対策案を出し、効果的なものに絞り込む
  6. 対策を実施する
    対策案を決めたら、チーム一丸となって素早く行動する
  7. 効果を確認する
    対策を実行した結果、目標を達成できたかチェックする
  8. 効果を定着させる
    誰がやっても同じ成果を出せるように成功のプロセスを「標準化」する

 プロセスを標準化してあるので、手順を踏めば、効果が出るはずだ。とはいえ、個人の能力により効果の大小はあるのだろう。しかし、能力のない者でもこの手順のとおりにやれば何らかの効果は出る。それが標準化だ。

 恐るべしトヨタである。

 よく考えたら管理者研修などで「問題の解決方法」は教えてもらった覚えがない。
自分が受けた管理者研修は短縮されていたので、長い研修を受けた先輩に聞いてみたけど、教えてもらっていないという。ウチの職場では標準的な「問題解決方法」は教えてくれないようだ。

 それはつまり、組織として標準的な「問題解決方法」を持っていないということだ。

 昔は、それでもよかったのかもしれない。扱う問題の多くは似ていたから、誰かの問題解決方法を参考にすれば解決できたのだろう。 ところが、最近遭遇する問題は、組織内では誰も解決したことが無いことが多くなった。

 昔ながらの、問題解決方法では解決できないのである。

 見方を変えると組織の問題解決能力が低下してるわけだが、多くの人は、この問題を認識していないのか、それとも認識しているのに見て見ぬふりをしているのだろうか。

 いまさら、そんなことを認識したのか!と叱られそうだ。

 せっかくなので、 「問題解決8ステップ」の練習がてら「問題解決能力が低下している問題」の解決に取り組んでみよう。

 10年くらい前に気が付けばよかった。後の祭りだ。



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