ケースバイケース
規則には、「やらなくてはならないこと」と「やってはならないこと」がある。
そして、これらの間に「やってもやらなくてもよいこと」がある。「やってもやらなくてもよいこと」は、積極的な人にとっては「やるべきこと」だけど、消極的な人にとっては「やるべきでないこと」だ。
問題は、積極的な人と消極的な人が一緒に仕事をするときに起こる。違うタイプの人が、上司と部下、管理部門と現場だったりすると、顕在化する。
多くの場合は、ケースバイケースで判断することになるのだが(視点2) 、その判断は恒久的なものではない。しかも、判断がその場面限りであることは多く、判断基準には上位の規則や方針、さらには理念といった抽象的な思考が必要になる。
ところが、普段方針や理念を考えないで規則だけで仕事をしている人は規則に書いてないことをやるのは、不安でしかたないようだ。ケースバイケースの判断を明文化して規則にせよと主張する。他のケースで困ることが明らかなのにだ。
方針や理念が共有されていないことが問題である。(視点3で見ていない)
過去に、管理部門が方針や理念を共有せずにケースバイケースで判断したり、ケースバイケースで判断すべきところを無理やり規則にしたことがあった。
誰も幸せにならなかった。
管理部門が批判されることが多いのだが、自ら方針や理念を考えないで判断を他人に任せている人も同じように批判されるべきだ。
「やってもやらなくてもよいこと」が誰でも判断できて、誰でも同じ判断になるように、方針や理念を共有しようと呼びかけるのだが、管理部門と現場の意識の隔たりは大きい。
管理部門と同列でありながら現場を持っているというコウモリ的立場にいるからだろうか、現場の言い分を管理部門に代弁せよと言われることがある。空気を読まず、普通の人が言い難いことが言える性格もあるのかもしれない。
彼らの代弁はしないだろう。現場と管理部門が方針と理念を共有しなければ問題は解決しなのだから。
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