ピーターの法則と人材育成
エライ人が集まる、とある会議に出席した。
どこの職場でも人材育成は顕在化している大きな問題だ。
端々に「人材育成」というキーワードは出てくるけれど、現場の人も管理部門の人も、問題を指摘するだけで、解決に向けた次のステップの議論にならない。
解決に向けた次のステップの議論を始めると、現場も管理部門も研修担当も入り乱れてカオス状態になることは必至だ。 エラくなる人は皆さん分別をお持ちのようだ。
結局、現場のエライ人も管理部門のエライ人も、自分が取るべき行動まで明らかにしないから「大変だね」と皆さん評論者だ。
エライ人達が考えないツケは、下に落ちてくるのだけど、次にエライ人も上に倣って問題を指摘するだけだ。ちょっと目端の利く人は余計な仕事が降ってこないように、しかも自分の評価が下がらないように上手に予防線を張っている。(こういう人がエライ人になるんだろう。)
エライ人と次にエライ人が巧くかわすので、さらに下に落ちる。この辺りになると本気で問題解決を考えて行動しようとしている人がいて、問題解決のために行動している。ところが権限が無いので制約が多く、活動は限定的だ。
ピーターの法則どおり、エライ人、その次にエライ人達の階層は無能レベルに達した人で占められている状態だろう。 しかし、ピーター先生によると、どの階層にも少数だけど無能レベルに達していない人はいるらしい。
無能レベルに達していない人達が、さらに上の階層に行くには、「引き」と「押し」が必要だ。また、無能レベルに達した人でも、まだ無能レベルに達していない人を、引いたり押したりできる。
「引きと押し」これが階層組織で無能レベルに達した者にできる人材育成ではないだろうか。
などと、無能レベルに到達した感をひしひしと感じながら、考えていた。
- ピーターの法則 (2012/10/10)
- 「上を目指したくない」というキャリア (2016/04/18)
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