三四郎 <美禰子さんの気持ちはわからない>
三四郎 夏目漱石
テレビの地上波が面白くないのでBSを見ていたら、NHK BSプレミアムで『深読み読書会「夏目漱石“三四郎”~108年目のプロポーズ~」』 をやっていたので、見るとはなしに見た。
漱石の「三四郎」は知っているが読んだことはない。
坊ちゃんは中学生の時に「そりゃイナゴぞなもし」くらいまで読んだ。
こころは高校生の時にがまんして最後まで読んだ。
いずれも、夏休みの宿題の読書感想文を書くためだ。
空気を読んだり、他人の心情を慮ることが苦手な性格であることを、自覚していない時期だったから、小説を読んでも感想というものが浮かんでこなかった。
宿題の読書感想文は、巻末にある解説を読んで書いた。その時には、解説を書いている人は、なぜ、そこまで行間が読めるのか不思議に思わなかった。勉強すれば行間が読めるようになるのだろうと思っていた。
勉強しても行間は読めるようにならないと気が付いたのは五十路を目前にした頃だった。
「三四郎」は田舎から都会へ出てきた青年の人間ドラマくらいのありふれた認識しかなかったから、深読み読書会の、「三四郎」を美禰子の婚活小説として読むという視点が面白い。
男子高校生だった頃にこの視点は到底無理だ。今も無理だけど。
深読み読書会が面白かったので青空図書館で「三四郎」を読んでみた。
やっぱり、よく分からない。
歳をとって覚えたことは、分からないことは自分に影響が出るまで無理して判断しないという方法だ。
美禰子さんの気持ちは分からないままにしておこう。
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