東芝解体 電機メーカーが消える日 <親方日の丸の時代は終わってる>
東芝解体 電機メーカーが消える日 大西康之 講談社
大手電機メーカー8社の過去・現在・未来を書いた本。 総合電機版失敗の本質だそうだ。
東芝 | 待ち受ける”廃炉会社”への道 |
---|---|
NEC | 通信自由化時代30年を無策で過ごした |
シャープ | 台湾・ホンハイ傘下で再浮上 |
ソニー | 脱エレクトロニクスで見えてきた光明 |
パナソニック | 「車載電池」「住宅」の次に目指すもの |
日立製作所 | 「技術の日立」を過信し、消費者を軽んじた |
三菱電機 | 実は構造改革の優等生? |
富士通 | 進取の気性を失い、既得権にしがみつく |
キーワードは、「電電ファミリー」と「電力ファミリー」結局、親方日の丸の弊害ということだろう。親方日の丸ではないシャープ、ソニーは創業者の哲学を継承できなかった。パナソニックは創業者の呪縛を振り切れなかった。というところか。
大西康之氏は産業革新機構をゾンビ企業を延命させる「救済機構」だと、手厳しい。
東芝は、産業革新機構と米ファンド、SKハイニクスでに半導体部門を売却することを取締役会で決定したようだ
東芝、日米韓連合との半導体売却交渉を決定 日経新聞 2017/6/21
(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21H6W_R20C17A6MM0000/)
これが実現すれば、東芝の半導体部門は外国企業に売り飛ばされることは無くなるだろうけど、今後成長するには寄り合い所帯の意思決定の遅さが命取りになりそうだ。
東芝半導体の優位性がなくなって技術流出が問題にならなくなるまでの時間稼ぎということか? しかし、人材が流出するので、技術流出は止められないと思う。
ところで、
昨今の、サイバーセキュリティ・バブルもずいぶん意図的だ。
サイバーセキュリティ技術者が2020年に20万人不足するというが、サイバーセキュリティを支えるIT技術者の不足、処遇の改善は進まない。なぜなら、IT技術者多くが旧電電ファミリーの下請けだから。
つまり、今の体制のままではサイバーセキュリティ技術者も処遇されないだろう。
サイバーセキュリティはITの一分野で専門性が高い。したがって、一朝一夕に技術者を充足できるものではないから、2020年までに育成されたことになるのは「なんちゃってサイバーセキュリティ技術者」だろう。
そして、彼らは2020年以降仕事がなくなる。そして、電電ファミリーは生きながらえるのだろうか。
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