最高のリーダーは何もしない <ようにみえる>
最高のリーダーは何もしない 藤沢久美 ダイヤモンド社
トヨタが復活し、シャープが凋落した理由を藤沢久美氏は
一方、シャープやソニーでは、創業時の哲学とそれに基づくビジョンが、ある時期から途絶えてしまった感があります。企業の哲学とはかけ離れた目的を掲げるリーダーが登場したことで、組織を支える「根っこ」がなくなってしまい、従業員たちが依って立つところを見失ってしまったように見えます。
という。
創業時の哲学を引き継がないトップに変わり、創業時を知らない人が増えたのは、他人事ではない。もう、原点回帰することはないだろう。であれば、リーダーは今「依って立つところ」を示さなくてはならない。
「依って立つところ」を示すには、「依って立つところ」を考えられて、しかも、示して伝えられることが必要だ。
「依って立つところ」を考えることと、「依って立つところ」示し伝えることの両方できるリーダーが少なく(いなく)なっているのだと思う。
「依って立つところ」を考えることより、示して伝えることの方が難しい。しかし、その気になれば考えることはできる。また、示して伝えることもその気になればできる。 重要なことは、相手に伝わるかどうかということ。伝えることはスキルだけではない「何か」が必要だ。
それなりのポジションに就けば、伝えられるようになると思ったら大きな間違いだ。これは経験から言える。それなりのポジションに就く前から練習しておかなければ到底無理だと思う。
そう考えると、最近「依って立つところ」を示して伝えらるリーダーがいなくなったのは、それなりのポジションに就く前に考え、示し、伝える練習をしてこなかったことが原因だろう。
つまりリーダーを育ててこなかったツケが回って来ている。
事実、それなりのポジションに就くまでに、考え、示し、伝えることを求められた覚えはない(覚えていないだけか?)リーダー候補として見られていなかったのかもしれないが。
考え、示し、伝える練習をしてもできるようになるとは限らない。できるようにならないからこそ、オジサンたちは、次世代を担う人達に、考え、示し、伝える機会を与えなければならない。このオジサン何もしない!と思われても。
「最高のリーダーは何もしない」ように見えるのだ。(^^ゞ
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