手間の代行
空港の待合ロビーで楽天の三木谷浩史氏の本を読んでいてふと考えた。
今回の旅行では往復のチケットとホテル、レンタカーを楽天トラベルで取った。行き帰りの路線が違っていてもチケットが取れたのは楽天トラベルだけだった。ワンストップサービスはとても便利だ。
昔は飛行機で旅行するのは大変だった。乗ってる時間や乗り心地が悪かったわけではなく、チケットの手配が面倒だったから大抵旅行代理店に頼んでいた。 搭乗には1時間前(だったかな)までにチェックインが必要だった。乗り遅れたこともある。
今時は、自分で安い便が探せるし、eチケットにしてWebチェックインしておくと、15分前に保安検査ゲートを通過すればよい。 それでも乗り遅れたことはあるけれど...
旅行代理店は、面倒な手間を代行することで、稼いでいたわけだが、今時は、手間の代行では稼げなくなった。ICT技術のおかげで手間がかからなくなったからだ。では、旅行代理店が無くなっているかというとそうでもないようだ。手間の代行から付加価値で稼ぐようになったからだろう。業態は同じでも売っているものが変わったということだろう。
旅行代理店に限らず、手間の代行では食っていけなくなるだろう。
技術者を名乗りながら、手間の代行で食っている者はいる。技術では食っていけなくなっても知識を使うと手間の代行で食っていける。知識や技能で食っている者の方が貴いというわけではないだろう。
全てのユーザーがイノベーションの恩恵を受けられるわけではないから、手間が無くなることはない。ただ、その手間の代行で稼げる期間は短くなっているから、顧客が代行して欲しいと考える「手間」をいち早く見つける術を身に付けていないと、食っていけなくなるだろう。
同様に、同じ知識や技能で稼げる期間は短くなっている。手間の代行よりも稼げる期間は長いが、習得に時間がかかるから、知識や技能を効率的に習得する術を身につけていないと、食っていけなくなるだろう。
もはや一生食っていける技術はない。技術で食っていけなくなったら、手間の代行で食っていける時代でもなくなっている。
最も理解していないのはオジサン世代だろう。昔と違って現場を離れて退職するまでの期間は長くなる。
更に、退職してから稼がなくてもよくなるまでの期間も長くなった。
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