「昔のソニー」をありがたがる風潮への違和感 <読者の需要がある>
「昔のソニー」をありがたがる風潮への違和感 東洋経済 ONLINE 2016年10月31日
OBが現役に対して口を出すのは今に始まったことではない。 特に実績を残しているOBの口出し(助言)は厄介なものだ。 経営状態が悪くなったときでも「大きなお世話」とは言いにくい。
冨山和彦氏が指摘するように、OBの時代と現在は違うことが多いから、指摘が正しいとは限らない。多くのOBは成功体験を一般化・普遍化しないで語っていることが多いので参考にならないことは多い。
東洋経済ONLINEの記事を読んでいる人が皆SONYの株を持っているわけではないから、正直業績が良かろうと悪かろうと大して関心はない。むしろ昔のスピリトを失ったことの方が関心がある。
親方日ではないSONYが役人の妨害にも負けず成長し、他社からモルモットと揶揄されながらも成功したストーリーを見ていた世代は少なからず思い入れがある。 だから、同じ思い入れがあるOBの話を聞きたがるのではないか。
つまり、OBの話は読者の需要があるのだろう。
平井社長は就任時ネガティブな報道もあったが方法はともあれ黒字化した。経営者としての責任は果たしているわけだ。 それでも、「エレキ回復」を唱え続けるのは、OBや成長時代を共有したユーザに配慮してのことなのだろうか。
SONYのWebサイトの企業情報には、井深大ファウンダー・最高相談役が起草した設立趣意書がある。有名な、
真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html)
はまだ掲載されている。
もっとも、設立趣意書はSONYの「歴史」で紹介されていて、現在のミッション/ビジョンは
ミッション
- ユーザーの皆様に感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続ける。
- ビジョン
- テクノロジー・コンテンツ・サービスへの飽くなき情熱で、ソニーだからできる新たな「感動」の開拓者になる(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/vision/)
今風になっている。
おそらく、設立趣意書の精神は、井深大氏、森田昭夫氏ら創業者が存命中、創業者に薫陶を受けた世代が現役だった頃は求心力だったのだろうが、創業者を知らない世代にとっては足かせになっているのではないだろうか。
冒頭の記事の中で冨山和彦氏は
大事なことは、どうやって優秀な学生が、古くて大きな会社に入らないようにするか、だと私は思っています。これは、国の政策として、とても大事なことです。
とおっしゃる。大事なことだと思う。
しかし、古くて大きな会社の親方は日の丸だったりするので、国の政策にするのは難しいだろうな。国の役人は自己否定できないから。
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