学習する組織 <現場に変化のタネをまく>
学習する組織 現場に変化のタネをまく 高間邦男 光文社
組織改革について網羅的に書いてある。
風土改革に取り組んでいると、「そうそう」という内容がいたるところに出てくる。幅広く網羅的だから一人では考えが及ばないことがたくさんある。そして、難解なナントカ理論ではないので、分かり易い。
「組織は変わらなくては」、「風土を変えなくては」と思った人は、チェンジ・エージェント(変革を推し進める伝道師的役割の人)になれる。
チェンジ・エージェント候補がまず困るのは、第一歩目は何から取り組めば良いのか分からないことだ。相談する場があったり、自分の思いを発信する環境があれば、一歩目の敷居は低い。しかし、このような環境がなく、閉塞感が充満しているような環境では、第一歩目の敷居は限りなく高い。
首尾よく第一歩目を踏み出せたとして、第二歩目も困ってしまう。
改革に取り組んだことがある人のアドバイスがあると心強いが、閉塞感が充満しているような環境では、チェンジ・エージェント経験者を見つけるのは難しい。
この本は、二歩目を踏み出す助けとなると思う。
例えば、運良く現れた賛同者に「で、具体的に何をやるの?」と訊かれたときに、行動が提案できる。また、チェンジ・エージェントに足りないスキルが明確になるので、スキルを持った人を勧誘するなり、セミナーを受講するなりしてスキルを獲得することができる。
しかし、この本は、ノウハウは書いてないから、具体策やノウハウを補う必要がある。
高間邦男氏のスタンスは、具体策とノウハウはコンサルを雇ってね。ということだろう。
ボトムアップ、ミドルアップの場合は、コンサルを雇うことができないことは多い。コンサルと契約するために何らかの結果を出さなくてはならないこともある。そんなときには、経験者を活動に引き込むのは有効だ、経験談(失敗談)を聴くだけでもずいぶん参考になる。
経験者のアドバイスが得られないなら、本を読んでみるのも良い。
組織改革の概論ではなく、ノンフィクションや実話を基にしたフィクションが参考になるだろう。
何かを変えようとしたとき、最も厄介なのは、賛同が得られないことではない。
厄介なのは抵抗勢力だ。抵抗勢力の中で、声高に反対する人よりも、影で足を引っ張る人よりも、善意で「止めた方がいい」とアドバイスしてくれる人が困る。
抵抗勢力にどう対応するかは経験するしかないのだが、予備知識がないと心が折れてしまいかねない。予備知識があれば、思いどおりにいかない場合でもダメージを少なくできる。
例えば、
オフサイト・ミーティングを開いたら、最初は愚痴や他部署の批判だったが、誰かが「愚痴ばかり言ってないで、建設的な議論をしよう」と言ったら全員の意識が変わった。というのは、ありがちな成功ストーリーだが、そんな絵に描いたようにうまくいかない。
このように思いどおりにならない場合に、建設的な議論になるまで、愚痴大会や批判合戦を継続しようか、建設的な参加者を選ぼうか、ミーティングのスタイルを変えようかと冷静に考えることができる。
まとめ
組織改革、風土改革って何?と思っている人や、いきなりチェンジ・エージェントを任された人が知識を得るにはとても良い。
しかし、実際に、組織改革、風土改革のチェンジ・エージェントになろうとすると、具体論、具体策が必要になるので、書籍を読むとか、経験談を聞くとか、コンサルと契約するとか、知識を行動に移す方法を考えなくてはならない。
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