年功制 <時代に適していない>
辞めてほしくない社員が辞めてしまった、一番の理由とは? 2017/03/29 明日の人事
に<辞めてほしくない社員(優秀な社員)が辞めてしまった理由・原因 10位~1位まで>がある。
10位 | ワンマン社長だった | 10.7% |
9位 | 上司との信頼関係の欠如 | 12.2% |
8位 | 社風が合わなかった | 12.6% |
7位 | 昇進と頑張りの連動がない | 13.0% |
6位 | 寿退社・出産等 | 16.0% |
5位 | 上司とのコミュニケーション不足 | 17.6% |
4位 | 労働時間・社内環境が悪い | 17.9% |
3位 | 仕事内容・部署による事情 | 18.7% |
2位 | 家庭の事情 | 31.3% |
1位 | 給与と頑張りの連動がない | 37.4% |
デキる社員確保のカギは「給与と頑張りの連動」
らしいが、「頑張り」が気になるなあ。
頑張っても業績残さなければ食っていけないよなあと思うのだが。
年功制の弊害 平等という名の不平等
も短絡的というかウケ狙いではないだろうか?
年功制は若いときは、労働以下の賃金しか貰えないが、歳をとると労働以上の賃金が貰えるという、生涯雇用を前提としている。退職まで同じ職場で働いた場合に、総労働量と総賃金が釣り合うシステムだ。
時代の変化の速度が緩やかな時代には、経験が重要だから同じ職場で長く働く年功制は、それなりに機能していた。しかし、今時は、時代の変化が速く、経験はそれほど重要ではなくなってきたから、若い世代は歳をとってからではなく、若くても働いた分の賃金を払えという。これは合理的だ。
別の見方をすると年功制では若い時期に賃金以上の労働をしているわけだ。これは職場に対して労働力を貯蓄していると考えられる。そして、歳をとったら若いときに貯蓄した労働力を引き出して賃金を貰っている。
当然、職場は定年まで存在することが前提だ。ところが今時は同じ職場で長く働こうと思っていても、突然職場が無くなることもあるから、労働力の貯蓄はリスクが大きい。だから、若い世代は労働力の貯蓄をしない。賃金分の労働しかしないから、サービス残業はやらない。これも合理的だ。
若い世代が残業をしないことに、オヤジたちが目くじらを立てるのは、オヤジたちが若いころ貯蓄した労働力分を脇世代が賄ってくれないと、年功制が継続できなくなるからだ。(もう無理だけどね)
不測の事態の備えとして貯蓄は有効だ。
年功制で若いころに労働力の貯蓄ができれば、運悪く在職中にイノベーションが起こって自分の能力が不要になっても、若い時の貯蓄分の賃金は貰える。
前提は、貯蓄した労働力や賃金が引き出せること。つまり、将来に亘って職場が存続することだ。
つまり、年功制はそれなりにメリットはある。制度自体が悪いのではなく、年功制は時代に適した制度ではなくなったということだ。
具体的な成果報酬連動型の賃金制度があります。それぞれの社員に成果を出すための具体的な行動目標を立ててもらい、その目標の達成度を正しく評価する仕組みをつくることが第一歩です。
この評価方法の実現は極めて難しい。この記事を書いている人は実際に業績評価をしたことがないのだろう。
目標の達成率で評価することが平等か考えてみる
この方式は、単に業績だけで評価すると、能力が低い者はどれだけ頑張っても能力が高い者に敵わないから、能力が低い者のモチベーションが上がらない。組織は能力が低い者の方が多数派だから、モチベーションが低い組織になる。だから、業績の絶対値ではなく、達成度という相対値で評価するという考え方だ。
しかしである。業績の絶対値が低い者が高い者より賃金が多くなるのは平等と言えるのだろうか?
達成目標は能力の120%程度に設定するのが良いとされている。 能力の高い社員Aは高い業績目標を設定させられ、能力の低い社員Bは低い業績目評を設定する。そして、期末に社員Aは目標を未達できず、社員Bは目標を達成したとする。 この場合でも、目標未達成の社員Aの方が社員Bより業績の絶対値は高い。
社員Bより社員Aの方が高い評価だったら、能力の高い社員Aは不満を募らせて辞めていくことになるのではないだろうか?
つまり、目標の達成度で評価しているからこそ、優秀な社員が辞めていくのではないだろうか。
さらに、この方法は評価の不正を防ぐことが難しいので、破綻している評価制度だ。
この記事を書いた人は「デキる社員確保のカギは「給与と頑張りの連動」」と「頑張り」を強調する。 残念ながら「頑張り」だけでは食っていけない。食っていくためには業績が必要だ。
記事の最後に、いきなり「仕事の効率性」ということばが出てくるが、いかにもとってつけたような感じだ。
頑張らなくても仕事を効率よく済ませて定時で退社できるのは、一部の優秀な社員だろう、優秀ではない多くの社員は業績を残すために、効率が悪くても「頑張って」残業しなければならないのが、日本的な会社の現状だ。
だから、日本的な会社は残業を「頑張り」として評価している。そして「頑張り」を評価する体質こそが優秀な社員が不満を抱く原因だ。 このような、構造的な問題をすっ飛ばして、効率性を評価すれば、問題が解決するというものではない。
「デキる社員確保のカギは「給与と頑張りの連動」」ではなく「デキる社員確保のカギは「給与と成果の連動」」だろと思う。 成果は部署ごと、業務ごとに定義できる。能力の低い社員でも成果は上げることができるし、成果に関与できる。
業績は成果と同じではなく、業績は成果の一部だ。 成果を上げることに関して誰がどれだけの貢献をしたかを測って、給与に反映させればよい。(どの程度反映させるかは経営方針による)
例えば売り上げや契約数を指標(数値)にする。同じ指標(数値)を得るために、残業しようが、定時で帰ろうが評価は同じにすれば良い。
「頑張り」を給与に反映させ、しかも、頑張りの評価指標を残業時間にしているうちは、ワークライフバランスなど夢のまた夢だ。
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