働き方改革(2) <成果を定義する>
その残業、何のせい?誰のせい? 藤田朋子 (2017-11-15)
藤田朋子氏が指摘するように、働き改革の議論は、働き方改革 = 労働時間短縮になっている感がある。 問題は超過勤務だけではなく、有給休暇が取れなかったり育児休暇が取りにくかったりだ。
残業=悪 ではなく、不必要な残業があることと、残業時間の多寡で評価することが問題だから成果を評価すれば良い。 これは、多くの識者指摘していることで、合理的に考えれば正しいのだが、割り切れないものがあって、合理的になりきれない人は多い。
その根底には、頑張った人を評価するというキレイ事があって、しかも思考停止していることだ。また、何が成果か分からないのも藤田朋子氏の指摘どおりだ。
ご多分に漏れず、ウチもそうだ。
最近、チームのマネージャに伝えた。
- 成果で評価します。
- 頑張りは評価しません。
- 頑張りを成果にするのがマネージャの仕事です
- チーム毎の成果を定義しましょう
〇頑張り
成果はどこかで誰か(顧客)の役に立っているはずだ。
だから、いくら頑張っても、成果にならなくては、誰の役にも立たない。
つまり、評価に値しない。と考えれば良いのだ。
プロセスを評価するという考え方もあるが、頑張りを評価するのと同じようなものだ。
正しいプロセスを踏めば、正しく頑張れば、成果になる可能性は高い。短い期間では成果にならなくても中長期では成果になるはずだ。それでも、成果にならないのは、プロセスが悪いか、頑張る方向が違っている。当の本人はなかなか気がつかないので、これを指摘して正しい方向に導くのがマネージャの役割だ。
と考えて、「頑張りは評価しません」と宣言した。
〇成果
「何が成果か?」と問われると答えに窮することは多い。なんとなく成果と思っているとか、エライ人が決めたとかで、結果がなぜ成果として評価されるのか考えないことが多い。
成果と指標を混同している人も多く、数値目標をクリアすることが成果だと考えている人も多い。
と考えて、チームのマネージャにチームの成果を定義してもらうことにした。
前の部署では、割と分かり易かったので、「成果」を定期的に確認するだけで良かった。今の職場は、成果が分かりにくい。こちらから彼らに成果を示しても良いのだが、あえて考えてもらうことにした。
自分で成果を定義すれば、仕事の優先順位を決めることができる。そして、成果ではない仕事を止めることができるからだ。
昨日までやってきた仕事が成果ではないと気が付くことがある。スパッとやめると波風が立つ、ジワりと止めれば時間がかかる。成果ではない仕事を止める決断はマネージャの責任で、どうやって止めるかはマネージャの能力だ。
チームのマネージャの皆さんは「成果」を考えたことがないらしく困っているようだ。
あと何年かするとマネジメント対象の人数も増えるだろうし、責任の重い判断をしなくてはならなくなるだろう。今考えるのは無駄ではない。
そして、働きやすくて、しかも成果が上がる職場になる。
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