働き方改革(3) <残業禁止>
残業厳禁を1年間続けた結果が話題「他人の仕事を進んで手伝わなくなった」
(http://news.livedoor.com/article/detail/12190011/)
残業や休日出勤を禁止すると
- 「『余計な仕事」』をしなくなる、命令できなくなる」
- 「ボトムアップからトップダウンになる」
- 「会議・ミーティングが減る」
ようになったのだという。
仕事改革しないで残業だけ禁止したらしい。
- 効率化、合理化していないと当然時間が足りなくなる。
- 時間が足りないから命令されたことしかやらなくなる。
- 命令されたことしかやらないからマイクロマネジメントするようになる。
- マイクロマネジメントするとますます指示待ちになる。
という負のスパイラルだ。
「働き方改革」は「改革」した結果、短時間で同じアウトプットを可能にする取り組みだ。 ところが「改革」しないのだから、労働時間を短縮するとアウトプットが下がるのは当たり前だ。 無理やり同じアウトプットを求めと、この記事のようになったり、誰かが倒れたり病気になったりする。
この記事の場合は、自律性、協調性を犠牲にして生産性を確保したわけだ。 マイクロマネジメントで乗り切れているからまだ良い方かもしれない。 普通は、いくらマイクロマネジメントしても生産性は上がらないから、誰かに健康被害が出てしまう。 しかも、自律性、協調性を無視したマイクロマネジメントは環境の変化に弱いから、かなりのリスクを抱えていることになる。
管理者も従業員も多くの人が勘違いしているのは、「改革」が必要なのに「改善」で済ませようとすることだろう。 「改革」のつもりが「改悪」になっていることもある。
合理化、効率化、自動化、機械化しないで仕事を増やすことしか頭にない管理者が考えることだから、仕事が、楽になったり、短時間で終わったり、質が向上したりすることは無い。
「やれ」と言うだけの管理者は被害は無いが、「やれ」と言われた方はたまったもんではない。
元凶は「働き方改革」と言っているエライ人たちだから根が深い。
と、ここまでは愚痴だ。
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総付加価値 = 生産性 × 労働時間
だ。
残業禁止にすれば当然ながら労働時間が減る。
残業縮減ありきならば、総付加価値が減ることを容認するのか、容認しないのか、経営判断が必要だ。
総付加価値が減ることを容認するなら、撤退する事業を決めればよい。
総付加価値が減ることが容認できないなら、生産性を向上させればよい。
これを実現しようとすると、組織の構成を変えたり、仕事のやり方を変えたりしなければならない。
つまり「改革」が必要だ。普段意思決定を行っている者ならだれでも分かることだ。
なぜ、事業撤退、生産性向上のための意思決定ができないのか?
たぶんつづく。
- 働き方改革(4) <時短勤務> (2018/02/4)
- 無駄な仕事が多い職場 <生産性を考えてみた> (2018/01/11)
- 働き方改革(3) <残業禁止> (2018/01/07)
- 働き方改革(2) <成果を定義する> (2017/11/20)
- 働き方改革 <働かされ改革ではない> (2017/10/26)
- ワークライフバランス <仕事のやり方を変える> (2017/01/30)
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