上に阿るのが嫌だったら周りより30dB上を目指せ
昨年、仕事で使うツールの運用や開発について若い人と話をした。
技術を持った者がツールを作り技術が無い者に使わせると、その技術力が活用できる。
ところが、ツールを使うと技術が無くても一定の仕事ができるから、ツールを使う者の技術が向上しなくなる。
つまり、高い技術力を活用してツールを作れば作るほど全体の技術力は低下する。というジレンマがある。
ツールの使用については正解はないから、経営層やマネジャは技術力向上とツール活用のバランスを考えなくてはならない。
若い頃は、このバランスを考えることができなかった。当然、バランスを考えなくてはならないマネジャの苦悩にも思いは及ばなかった。それは仕方のないことだと思う。
そして歳を取って、若い人のバランスなど考えない極論とも感じる意見を聞くと、自分の若い頃を思い出して苦い思いをしたりする。でもちょっと羨ましい。
経営層やマネジャのバランスを考えた戦略に、自分の技術力が必要とされなかったときには、経営層やマネジャを批判したくもなる。「技術が分からないから正しい判断ができない」のだと。
技術を指向するならそれも良いだろう。
ただし、自分の技術力が戦略に組み入れられるくらいのレベルにならなくてはいけない。
若いころは自意識過剰のことが多いから、「周りより詳しい」くらいのレベルでも、「周りとは圧倒的なレベル差」があると自分を過大評価してしまいがちだ。 ところが、経営層やマネジャから見ると誤差にしか見えないことはある。技術レベルが測れない管理者がいるのも事実なのだが...
冒頭の若い人は技術志向のようだったので、
上に阿るのが嫌だったら周りより30dB上を目指せ。
とアドバイスしておいた。
3dBや10dBではだめだ。技術レベルが測れない上司は分からないかもしれない。 「上が悪い」「周りが悪い」と環境のせいにして逃げてしまう。 そもそも、周りから10dBアップくらいでは技術だけで食っていけない。
30dB上を目指そうとしたら環境のせいにしない覚悟が必要だ。
覚悟したら、自分の限界も見えてきて、技術だけでは解決しない事実も見えてくる。そしてバランスも見えてくる。(経験的には)
ところで、技術者用のキャリアパスが無い職場で30dB上を目指すのは極めて大変だ。そして、かなりの覚悟が必要だ。
覚悟したつもりでも、くじけそうになることもある。その時に必要なのは「やりがい」だと思う。 傍から見たら自己満足かもしれないけれど...^^)
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