Googleが気付いたトヨタのマネジメントの神髄 <共通の価値観が必要>
Googleが背を向けたMBAに、なぜ日本企業は固執するのか -豊田マネージメント研究所副社長の高木徹氏に聞く(前編)-
(http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/415543/121100083/)
日経テクノロジー 近岡 裕 (2017/12/11)
Googleが気付いたトヨタのマネジメントの神髄 -豊田マネージメント研究所副社長の高木徹氏に聞く(後編)-
(http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/415543/121200084/)
日経テクノロジー 近岡 裕 2017/12/13)
豊田マネージメント研究所副社長の高木徹氏へのインタビュー記事
よくある、Googleってスゴイんだぜとか、本当は日本のほうがスゴイんだぜのような記事かと思ったらそうではないようだ。
──Google社は何に気付いたのでしょうか?
高木氏:「企業・組織文化(以下、企業文化)の構築」が競争力を高める源泉である、ということです。経営陣が戦略を立てても、戦術を実践する社員が統制的にマネジメントされるため生産性が低い。これが欧米企業の典型です。いわゆる「笛吹けど踊らず」の状態。これは自律的に動ける現場になっていないことが原因です。現場が自律的に動けなければ、生産性が高まらず、計画が遅延して、良い製品をタイムリーに造ることができません。結果、競争力が高まらない。
実は、自律的に動ける現場にするには「共通の価値観」が必要なのです。トップがいちいち指示しなくても社員が間違わずに行動するには、みんなが同じ価値観に基づいて判断し、行動しなくてはなりません。それぞれが違う価値観を持っていると仮定してみてください。言葉1つを取っても、解釈が異なる可能性があります。
自律的に動ける現場にするためには「共通の価値観」が必要というのはよく分かる。
ここ何年か企画しているオフサイト・ミーティングでも目標にしている。
「共通の価値観」を持つ、は言うは易しである。
「共通の価値観」は持つだけでは足りない。 共有している者が体現できなければ意味がない。
誰でも叱られるのは嫌なものだ。特に減点主義の職場では失敗したとき有形無形のペナルティが大きい。 当然、自律的に行動しようと考えたときに、自分の価値観が正しいかどうか自信が無いので結局行動しなくなる。 このようにして、「共通の価値観」が無い場合、現場は指示待ちになってしまう。
「共通の価値観は」経営理念とか行動指針とか信条とか呼び名はいろいろある。これらの「共通の価値観」は紙に書いて全員に配ることはできる。 毎朝暗唱させることもできる。
ところが、暗唱できても行動できなければ意味がない。
例えば、「顧客に価値を提供することを最優先する。」これはよくある価値観で、皆共有しているはずだ。 ところが、イレギュラーなケースをこの価値観で判断して実行しようとすると、組織内の調和や、前例や、100年に1度も発生しないようなリスクを取り上げる意見(文句?)が出るわ出るわ...
「やっちゃいけないのか (--メ 」と聞くと、「ダメ」という人はいない。
(ダメと言われても、価値観に照らして正しければやるのだけど ^^;)
つまり、紙に書かれた「共通の価値観」はお題目のようなものだ。
ではどうやって「共通の価値観」を持つのか?
トヨタのようにすでに会社の風土として「共通の価値観」があり、現場で実践されているなら、 紙に書かれた「共通の価値観」を配布して、座学で知識として習得すれば、後は現場でのOJTで定着できるだろう。
問題は、「共通の価値観」がない職場や、過去の価値観は違う価値観を共通のものとしたい場合だ。
今取り組んでいるのは、ミドルマネジメントが「共通の価値観」を持つこと。
トップが変わる度に「共通の価値観」変わると、現場はたまったものではない。現場にとって、「共通の価値観」は与えられるものと考えるのは、極めてリスクが大きい。
では、現場の価値観をそのまま「共通の価値観」にすればよいかというと、現場に近すぎる価値観は、部署の都合が表面化して「共通の価値観」にならない。
風土として定着させるためには、ミドルマネジメントがトップの立場で考えて「共通の価値観」を共有することが良いのではないかと思う。
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