ヒューマン・エラー <「気を付けろ」が有効なのは>
仕事をしているとヒューマン・エラーが原因で事故が起こることがある。(「事故」は「交通事故」の意味ではない)
航空業界や医療業界のように人の命に関わるような事故ではないが、事故が発生する管理職や管理部門は何かと大変だ。
とある人から「部下に注意したのにヒューマン・エラーが原因の事故が起きた」という話を聞いた。引っかかったのは、「注意したのに」という部分だ。
注意することで事故が減るのは、注意された人が、なぜ事故を防止しなければならないのか、どうやって事故を防止するのかを知っている時にだけ有効だ。
事故は起きても仕方ない。事故を防止する具体的な方法を知らない者に対して単に「気を付けろ」と言っても効果は無い。 「気を付けろ」と言う側の気休めだ。
経験則では管理職は単に「気を付けろ」と言うことがある。
若い頃、何度か失敗はした。致命的な事故は無いけど事故になったこともある。
そんな粗忽者だから「気を付けろ」と言われていたのかもしれない。でも、捻くれ者だから、「気を付けろって何に気を付けろって言うんだヨ!」と思っていた。
中間管理職になっても、あい変わらず上からは「気を付けろ」と言われる。そして、部下に対して「気を付けろ」と言う立場になった。
中間管理職になって分かったことは、当時の上司は事故を防止するための具体的な行動が分かっていなかったのだろうということ。おそらく上から言われた「気を付けろ」をそのまま部下に言っていたのだろうということ。そして、その上も分かっていないのだろうということ。
実は、この構造は今でも変わっていないと思う。組織として事故を防止するための体系的な知識が無いのだ。研修もいくつか受けたことがあるけど、ヒューマン・エラーや危険予知、危機管理、事故防止について教えてもらったことはない。
当時の上司も事故防止に関する教育は受けていなかったのだろう。だから「気を付けろ」と言うしかなかったのだろう。 そして、無知の連鎖が起こっている。
誰も教えてくれないので勉強してみた。
人の命に関わる航空業界や医療業界の取り組みは参考になる。昔と違ってネットが使えるから情報はたくさんある。事故防止は最先端のICT技術とは違って歴史は長いからセオリーがある。
まず、事故防止のセオリーを知らなくては話にならないと思う。 勉強して実践すれば無知の連鎖が止まるだろう。
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つづくかも
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