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2018年1月13日 (土)

大分県庁の過労死問題 <残業時間は主因ではないのでは>

残業」管理怠慢県認める 15年男性職員過労死 遠慮?月107時間を78時間と申告 再発防止へパソコン履歴で監視 [大分県]
(https://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/379877/)
 西日本新聞 (2017/12/13)
↑(リンク切れ 2019/05/09)

 西日本新聞によると

月107時間を超える時間外労働(残業)が原因で県職員の男性=当時(34)=が過労死していた。県は残業を78時間と把握していたが実態とは約30時間の開きがあり、管理態勢の甘さが露呈。県は「業務管理に怠慢があった」として職員の遺族と慰謝料など約7千万円を支払うことで合意する一方、再発防止に乗り出した。

らしい。

再発防止策はというと、

 職員の「自己申告」だけでなく、客観的に勤務時間を把握できるようパソコンの使用履歴で管理するシステムの導入を検討。今年4月には、午後10時以降のパソコン使用履歴を基に職員の勤務時間を監視し、長時間労働が続いた場合、業務の分担に取り組むよう指導。勤務時間削減に向けて、職員の行動指針の策定も進めている。

らしい。

 残業時間の管理の徹底と言ってる時点でダメダメだ。 この問題は残業時間が管理できていないことが原因ではないのだから。

 パソコンに管理ソフトを入れて残業時間を管理しても、パソコンを使わない残業をしたり、「風呂敷残業」が増えるのがオチだろう。 私物パソコンを持ち込んで仕事をするようになるとセキュリティ上の問題も発生する。

 月100時間の残業はどれくらいか考えてみる。

  • 毎日5時間残業すると100時間を超える。徹夜無しで土日は休める。
  • 毎日4時間残業+3日休日出勤すると100時間を超える。徹夜無しで土日どちらかは休める。

 おそらく、「そんな時もあったよな~若かったよな~」と言うオジサンは多いのではないだろうか。

 本当にツライのは労働時間ではなくて、周りに相談できなかったり、仕事の意味が解らなかったり、パワハラがあったりする場合、つまり、職場環境が悪い場合ではないのか。

 例えば、金曜日の終業間際に「月曜日の朝イチでいいよ」というオーダーや、「その資料この前似たやつを作ったじゃない!」のようなオーダーは、残業時間以上の攻撃力だ。

 残業時間と健康被害との間に相関があるというけれど、これは擬似相関で、本当に相関があるのは職場環境と残業時間、職場環境と健康被害ではないか。

 つまり、残業時間と健康被害との間に因果関係は無いから残業時間を管理しても健康被害は減らない。 残業時間は健康被害リスク増大の指標(モニター用の数値)にしか使えない。

 主因の職場環境を改善しなければ健康被害は減らないのではないか。

 おそらく、このことは皆知っているはずだ。

 職場環境を改善せず、残業時間を厳しく管理すると言っている時点で

 「職場環境を改善するつもりはない。健康被害を減らす努力はしない。」

と公言しているのと同じだ。


 職場の安全講演を聴いてきた。講師の先生によると、自殺の原因は労働時間ではなく精神疾患だそうだ。 精神疾患になる要因は労働の環境や本人の性格など。 労働環境の一要因として労働時間がある。 (2018/7/6追記)


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