駅伝日本一、世羅高校に学ぶ 「脱管理」のチームづくり
駅伝日本一、世羅高校に学ぶ 「脱管理」のチームづくり 岩本真弥 株式会社光文社
高校駅伝の強豪世羅高校監督の岩本真弥氏は
私はここ数年、毎年実業団チームの合宿に参加しているが、驚くことに10年以上練習メニューが変わらない。
選手に課す練習内容も変わらないし、スケジュールの組み方も変わらない。これだけ科学的な研究が進んでいるというのに、どの監督に訊いても判で捺したように「走り込みをしないとマラソンは強くなれない」と口にする。
結局、彼らは変わろうとしていないのだ。自分が受けた指導をそのまま下の世代に押し付けているだけだ
とおっしゃる。
多くの指導者は過去の成功体験にとらわれて自分を変えることができないのだろう。
また、岩本真弥氏は、
私たち3人の指導法にはどこか似通ったところがあるように思うのだ。
選手の自主性を重んじること、選手自身に考えることを求めること、生活態度や人間性を重視すること、選手を型にはめず個々の力を伸ばすこと……つまり選手を厳しく管理して精神論をふりかざす〝古い陸上体質〟とは真逆のスタイル。これはただの偶然だろうか?
とおしゃる。3人とは、世羅高校陸上競技部監督の岩本真弥氏と中国電力陸上部監督の坂口泰監督、青山学院大学陸上部監督の原晋監督だ。3人とも世羅高校出身だ。
岩本真弥氏のやり方は、選手に成果を上げさせるマネジメントそのものだ。マイクロ・マネジメント(管理)ではない。
世羅高校は強豪校であるがゆえに常に優勝を目指さなければならないのだろう。強豪校だからマイクロ・マネジメントすればそこそこの結果が得られるだろうし、入賞すれば御の字であればマイクロ・マネジメントで良かったのかもしれない。
しかし、マイクロ・マネジメントすれば監督のイメージ以上にはならない。それ以上に成長させる方法は管理を止めてマネジメントしなければならないのだろう。
これはスポーツ以外でも同じかもしれない。
管理すると人は育たないから、自主性とマネジメントが必要だ。特に、マネジメント対象を自分以上に成長させようと考えるなら自主性が必須だ。
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