「努力」という幻想
田坂広志氏のメルマガ「風の便り」四季 第133便は『「努力」という幻想』
引用すると
昔、あるテレビドラマで見た
お母さんと子供の微笑ましい会話が
心に残っています。勉強をしない子供に対して、
「どうして、もっと勉強しようと努力しないの」
と聞く母親に、子供が答えます。「うん、だから、努力しようと努力しているんだけれど」
おもわず微笑んでしまうこの言葉を聞くとき、
我々は、「努力」という言葉が、
極めて精神的な言葉であり、
自己幻想に陥りやすい言葉であることに気がつきます。なぜなら、仕事で壁に突き当たっている人に
「あなたは、努力をしていますか」と聞くならば、
「ええ、自分なりに、精一杯の努力はしています」と、
多くの人が答えるからです。誰でも、精神的には、努力している。
しかし、具体的には、成果が出ない。そのことを考えるとき、
ふと、不思議なことに気がつきます。一流のプロフェッショナルは、
精神的な「努力」という言葉を
あまり使わない。そのことに気がつきます。
では、彼らは、どのような言葉を使うのか。
具体的な「工夫」
それが、プロフェッショナルの世界において、
「努力」を意味する言葉なのでしょう。2004年7月5日
田坂広志
努力しても頑張っても成果が上がらないことは多い。
だから、成果が上がっていなくても頑張ったことで良しとする人は多い。
マネジャはメンバーの頑張り(努力)を成果にする手助けをするのが仕事だ。
しかし、頑張りが必ずしも成果にならないことを知っている。
だから、メンバーの頑張りを評価しようとする。
でも、顧客が望んでいるのは頑張りではない。
頑張れば必ずしも成果になるわけではない。しかし、成果になる確率は上がる。
そして、確率を上げるものが「工夫」というとだろう。
言い換えれば「工夫」しないことを「努力」という言葉に逃げないことだ。
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