リーダーシップとマネジメントの違い
[新訳]リーダーシップとマネジメントの違い ジョン P コッター ダイヤモンド社
ジョン P コッター氏は、リーダーシップとマネジメントにはそれぞれ役割があり、
- マネジメント
- :複雑な状況にうまく対処する
- リーダーシップ
- :変化に対処すること
だとおっしゃる。例えば、
- 「方向性の設定」VS「計画と予算の策定」
- 「人心の結合」VS「組織編成と人員配置」
- 「動機づけ」VS「統制と問題解決」
等である。
平時の軍隊は、階層の上から下まで運営と管理が行き届き、同時に上層部の優れたリーダーシップがあれば、ふつう大丈夫だろう。
しかし戦時下では、あらゆる階層で優れたリーダーシップが必要になる。 人々を突撃させるうまい方法など、だれにもわからない。 つまり、彼らは、リーダーシップで率いていかなければならない。
軍隊の例は分かりやすい例えだ。
平時に運営と管理が行き届くとマネジメントについて考えなくなる。すると、マイクロマネジメントが行き渡る。
この状態から、短期間で、戦時下に必要な各階層にリーダーシップを発揮できる人材を配置するのは困難だ。できないのかもしれない。
歴史に学ぶなら、日清戦争における清国、日露戦争におけるロシア帝国、第2次世界大戦における日本軍はいずれも官僚組織から戦闘組織への転換ができなかったのだろう。
ジョン P コッター氏はリーダーシップの学習について次のように指摘する。
リーダーシップの役割は広範囲にわたるが、これを効果的に発揮している人たちのキャリアは、えてして共通している。もっとも一般的で何より重要なのが、キャリアの早い段階で大きな試練に遭遇していることだろう。たいていのリーダーが、二〇代か三〇代に、リーダーの役割を果たそうと努力し、リスクを背負い、成功と失敗から学習するという機会を経験している。
が正しいとすると、20代~30代でリーダーシップについて学習していなければ、その後優れたリーダーシップを発揮することは困難ということだろうか?。 そうであれば、完成された官僚組織では、優れたリーダーシップを持った人材を探すのは困難ということになる。
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