東大生となった君へ -真のエリートへの道- <東大生だけに向けた本ではない>
東大生となった君へ 真のエリートへの道 田坂広志 光文社
東大に合格した人に向けた本ではないだろうと思って読んだら、答えは、「終話 一度限りの人生をいかに生きるか」に書いてあった。
だから、「真のエリート」の道を歩むために、実は、東大生や東大卒である必要はない。
「大学に行ける」ということが、有り難いことであり、恵まれたことであることを自覚し、その感謝を、世の中の多くの人々の幸せのために生きることによって表そうとするならば、すべての大学生が、「真のエリート」としての道を歩める。
この国を担う若者に向けたメッセージだ。 学生時代に深く考えないで職に就き、今若者を育てる立場担っている年代へのメッセージかもしれない。
この本の中で、東京税理士会から、これからやってくる人工知能革命時代に税理士はどのような能力を備えるべきかという 内容の講演依頼があったことが紹介されている。
講演を依頼した人の先見の明もさることながら、自分自身を変えようとする姿勢は大したものだ。
税理士という職業がこの先、無くなることは、多くの識者が指摘している。 その事実を受け入れて、未来のために今行動できる人は、人工知能に取って代わられない仕事ができるのだろう。
たいていの人は、その事実を知りながら、自らのこととして受け入れることができない。そして茹で蛙になってしまう。
田坂広志氏は、
この先人工知能が代替できない人間の能力として、
- 第一は「クリエイティビティ」。
直観判断力に基づく知的創造力のこと - 第二は「ホスピタリティ」。
傾聴力や伝達力に基づくコミュニケーション力のことであり、「対人的能力」のこと - 第三は「マネジメント」。
人間的魅力や人間力に基づくマネジメント力やリーダーシップ力のことであり、「組織的能力」のこと
を挙げておられる。 これも、多くの識者が指摘している。
マネジメントは日本では経営管理と訳されることが多く、管理業務だと思っている人は多い。 管理業務は人工知能に取って代わられる業務だから、取って代わられないマネジメントとは何かを考えなくてはならない。
田坂広志氏はそれは「心のマネジメント」だとおっしゃる。
簡単に言えば、部下やメンバーが働き甲斐や生き甲斐を感じられるようにすることだと。
この「心のマネジメント」は組織の管理、部下の管理とはまるで異なる考え方だ。しかし、オヤジたちは管理しか教えてもらっていない。
田坂広志氏はなぜこの本を若者に向けて欠いたのだろうか?と考えた。
人工知能革命の影響をもろに受けるのは、組織内でしか価値が無く転職できない人。 つまり、組織に特化した管理しかできない管理職だろう。
例えば10年先の人工知能革命の混乱でリーダーシップを発揮して乗り切れるのは、今、大学に入学した二十歳前の若者で、今の40代50では混乱は乗り切れないと、お考えなのかもしれない。
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