「事故防止を徹底せよ」と言えば事故は無くなるのか?
昔通信インフラ部門にいたときに叩きこまれたことは、回線断になる事故を起こさないこと。
当時、管理部門が合理的でなく気合と根性的なところがあることは気になっていた。
「事故防止を徹底せよのような指示があると、現場では「また言ってるよ」的な空気があったが、事故防止の意識や基礎的な行動などの「基礎の基礎」は叩きこまれた。 本当に叩かれた人もいる。(今ではパワハラだ)
最近、「事故防止を徹底せよ」のような話を聞いた。 昔も聞いたよなと思いながら聞いていたのだが、ふと心配になった。
管理部門の年寄は、発生した事故がレアケースだと思ってるのではないのか?
確かに、年寄りたちが若いころ現場にいたときには発生していなかった事故が起きるとレアケースと考えがちだ。 年寄は事故を起こさないための具体的な手順を知っていて、それを誰でも知っている「基礎の基礎」だと思っているからだ。
しかし、「基礎の基礎」を若い人に伝えているのだろうか?
「基礎の基礎」を伝えていなければ、年寄りだったら起こさないような事故が発生する。
このことを年寄りは認識しているのだろうか?
「基礎の基礎」を伝えられていない若い人が失敗すると、「最近の若いやつらは...」と若者の気質に原因を求めているのではないだろうか?
管理部門が「事故防止を徹底せよ」というのは今も昔も変わらない。 それを現場で具体的な行動に落とし込んでいる人はいるのだろうか?
ハインリッヒ先生によると、1つの重大事故の裏には事故に至らない300の失敗があるという。重大事故に至らない失敗を検知して問題を解決し共有する仕組みは機能しているのだろうか?
歳をとると心配性になるなあ。老婆心というやつか。
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